吉本芸人の「シモ」トラブルも徹底的に調査し解決させた元よしもとの謝罪マン・竹中功が見た、純烈・謝罪会見

【この記事のキーワード】

謝罪と再発防止のためには「真実」が必要 

 ここで予告しておこう。事実を聞き取る際に、当事者にはどうしても失敗を認めたくないとか、恥ずかしいといった心理が働き、「真実」が見えなくなることがある。何度も言うが、謝罪と再発防止のためには「真実」が必要なのだ。そのつもりで突っ込んでいかないと、言い訳やウソに惑わされて「真実」から遠のき、「何に気づいて反省し、誰に何を謝るのか」という「謝罪」の基本が組み立てられない。そして、二度と同じあやまちを犯さないための「再発防止策」が見つけられないという最悪の状態になる。

 私は、かつて勤めていた吉本興業で、大小さまざまな事件に出会い、広報担当者として後始末を担当した。相手への謝罪だけで済んだこともあれば、大々的な「謝罪会見」を行ったこともある。内々で終息させた経験もある。

 その中のひとつに、男性芸人が起こした「シモ」のトラブルがあった。

 担当マネージャーから当初受け取った報告は、本人はそれほど悪くないという印象を与えるものだった。だが、私はそれを聞いていくつかの疑問が湧いた。そのマネージャーが芸人より年下で経験の浅い女性だったため、彼は本当のことを話していないのではないかと感じたのである。

 私は弁護士ではないが、彼を守るため「真実」の収集に集中した。そのトラブルはどこのホテルで、何時から何時まで、行為はどのようにしてどこまで進んだのか、費用はいくらでどちらが払ったのか、現金だったのかカードで支払ったのか、といったことが重要だったのである。

 そこで、改めて彼を呼んで聞き取りを行った。すると、残念ながら彼はやはりマネージャーに真実を語っていなかったことがわかった。

 聞き取りを行った結果、刑事事件性はなかった。しかし、新聞や週刊誌がこの件をどう扱うかを想定し、それに対処することが私の重要ミッションであった。

 こういう時に面倒なのは、ウソはつかないまでも、恥ずかしがって本当のことを話さないことである。ここで「真実」に出会えなければ、メディアにも「真実」を伝えることができない。そういう意味でも、私は芸人を守り抜くために「真実」を知る必要があった。そして、そこでの正確な聞き取りに基づいて、報道に対抗し、一緒にホテルに行った女性との関係修復にも奔走した。

精神面の「情報」は不要である。

 別の例として、紅白歌合戦出演から一瞬にして転落した「純烈」の会見を思い出してほしい。

 元メンバーの友井は「週刊誌に書かれている女性とのトラブルは事実です。もう二度とあやまちを犯さないように償いながら、生きていきたいと思っています」と報道を100%認め、記者会見で反省を述べ、禊としてグループを脱退、芸能界を引退した。彼はその日まで誰にもバレることなくDVや借金を繰り返し、芸能活動を続けていたのだが文春砲で撃沈したのだ。

 記事にあった事実のように丸裸にされた彼には言い訳はできない。またそういう卑劣な行為の理由など聞きたくはない。ただ視点を変えると、バレなければあのまま隠し通していただろうし、同様のこともまた繰り返していたかもしれない。犯罪者によくあるパターンだ。

 今回は法的に裁かれたものではなかったが、「人間」として失格だと烙印を押された。リーダーの酒井は友井のことを「僕の中であいつはもう死にました。なので会うことはないと思います」と断罪し、グループとしては彼を除いての再スタートを会見で宣した。

 一部ファンの甘やかした言葉も聞こえてきたが、結果的に彼を許す者は誰もいなかった。彼の行動の理由や言い訳などの「情報」は不要である。

 現実は「暴力、借金」という「真実(=データ)」でしかないのだ。一人のサイテー野郎は消えたが、残ったメンバーは生きていかねばならない。「純烈」は「残ったメンバーでやる!」という「新生ビジネス」を宣言したのである。これはピンチをチャンスに変えた良い例である。スピーディに対処した姿は凛々しく、次の紅白も夢ではないという希望を持てた。

 ここは最速で判断して、きっちりと本人が会見も行い、熱い情報を周知させて行くことが重要である。 

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