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新潟暴行事件で加害者の個人情報特定しようとする動き、激しい処罰感情は“正義”か

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「Getty Images」より

 新潟県の私立高校に通う男子生徒ら8人が今月15日、同級生の男子生徒2人に暴行をはたらき、さらにその様子を撮影した動画をInstagramでライブ配信していたことがわかった。被害生徒は警察に相談しており、警察は関係者から事情を聴いているという。

 SNSで拡散されている問題の動画では、複数の男子生徒が別の男子生徒に対して、殴る蹴るの暴行を加えており、流木のような凶器が使われている場面もあった。暴行や動画配信を楽しんでいるかのような声も聞き取れる。この問題は、今月18日から19日にかけて、テレビのニュースやワイドショーでもクローズアップされている。

 そして動画の拡散に伴い、暴行した人物たちを「特定」する動きがネット上で瞬く間にはじまり、真偽不明の人物名や写真が流出、それをまとめるwebサイトも複数あり、混沌とした状況だ。

 SNSでは「(動画で)加害者の顔にモザイクを入れる必要ない」「加害者の顔も名前も晒していい」「退学程度ではなく刑罰を与えるべき」等、強い処罰感情を伴った意見が多く書き込まれている。

 だが処罰感情を募らせてか、あるいは祭りを盛り上げるような気分なのかわからないが、加害者を特定し私刑を加えようという動きは果たして“正義”と呼べるものか。

 類似の事件は頻発している。たとえば千葉県松戸市教育委員会が今月15日、2016年5月に市立小学校で、児童に対する教員の不適切な指導があったことを発表したが、この件についても教員の実名が拡散されている。

 市教委によると、市立小学校の4年生の男子生徒2人がトラブルになった際、当時の担任教諭が「どうぞやり返していいです」と煽り、後に教室を訪れた教頭も「こんなことをするなら出ていけ、この学校から。ここは法律の国なんだよ」などと発言。男子児童2人のうち1人は不登校になったという。当時のやり取りを録音した音声データは2月1日の時点でYouTubeに投稿され、SNSでも拡散されていた。この問題は、15日の『あさチャン!』(TBS系)で取り上げられ、教員への処罰を求めるネットの声はさらに拡大している。

 今年1月には、東京都町田市の都立高校で、教員が口論になった生徒を暴行し、怪我を負わせる事件が発生したが、一部始終を映した動画が生徒によってTwitterに投稿、拡散された。動画では、「Twitterで炎上させようぜ」という声や生徒が教員に悪態をつく様子も映っていたため、生徒側が教員を煽っていたのではないかとして、世論では教員擁護の声が高まった。同時に、生徒たちを「生徒の資格がない」などと糾弾する声が大きくなり、「体罰の真相」などと真偽不明の情報および生徒名などが拡散していった。

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