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「トイレに行く時間もなくて膀胱炎に…」教員の労働環境は定額働かせ放題か

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「Getty Images」より

 働き方改革が叫ばれる昨今、ブラック企業や業界全体の告発も多い。かつて安定した公務員と考えられていた教員も、今は「ブラックな職」のひとつとして広く認知されるようになった。

 OECD(経済協力開発機構)は2014年、世界34カ国・地域の中学校教員を対象に勤務時間などの調査を実地した。この結果によると、日本の教員の労働時間は週平均54時間であり、参加国の平均約38時間を大きく上回って最も長かった。

 株式会社トモノカイはこの調査結果を現役大学生・大学院生268人に提示したうえで、「日本で教員になりたいか」を聞いたところ、「強く思う」(12人)、「思う」(39人)は全体の約2割にとどまった。「あまり思わない」(120人)、「思わない」(97人)という答えが全体の8割を占めている。

 こうした若者の声を反映するように、教員の求人倍率は減少傾向にある。文部科学省の「公立学校教員採用選考試験の実施状況について」によると、大阪府では2000年頃は小学校教員の倍率は20倍近くあったが、2017年には5倍を下回っている。新潟県にいたっては、2019年度の小学校教員の競争倍率は1.2倍となっており、教員はもはや「狭き門」ではなくなっている。

 教員の志願者減と同時に問題視されているのが、学校現場の教員不足だ。共同通信は2018年、全国47都道府県と20政令指定都市のうち、26都道府県と9市で公立の小中高の教員が定数を下回り、少なくとも600人が不足していたことを報じた。この原因のひとつには、教員の厳しい労働環境が周知されたことによって若手の志願者が減ったという事実がある。今後、団塊世代の教員が退職していき、教員不足はますます深刻化するだろう。

 教員不足を食い止めるためには、ブラックな働き方でも多くの教員が耐えている現実を直視し、労働環境を整備していく必要がある。

「トイレに行く時間もない」膀胱炎になる先生 忙しすぎる教育現場の実態

 上述したような社会問題を前提として、2月9日放送の『田村淳の訊きたい放題!』(TOKYO MX)では、憲法学者の木村草太氏と教育学者の内田良氏が出演し、現在の教員の働き方の現状把握と改善のための議論がなされた。

 同番組ではまず、教員が不必要な業務に追われていることが議論に上がった。木村氏は、教員が授業のほかにも放課後・夜間の見回りや進路指導などの雑用に追われ、これが長時間労働を助長していると指摘した。

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