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アメリカと日本の「家計」の違い キャッシュレス化と女性の社会進出

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生き延びるためのマネー/川部紀子

 ファイナンシャルプランナーで社会保険労務士の川部紀子です。

 先日、アメリカ在住の日本人にインタビューをする機会がありました。ファイナンシャルプランナーとしては、「家計」にまつわるアメリカの情報を知りたいもの。というわけで、インタビューに応じてくれた、アメリカテキサス州オースティンの大学で日本語を教えながら、翻訳者として活躍中の既婚アラフィフ女性のAさんに、いろいろとお話を伺ってみました。

今もっとも違いを感じること

 Aさんが日本とアメリカで最も気になる違いは、クレジットカードの使い方や利用頻度とのこと。

 今、日本では「キャッシュレス化」という言葉が飛び交っています。東京オリンピックの時期を目指し、一挙にクレジットカードが普及するか!? という空気はあるものの、あいかわらず大手コンビニエンスストアでも、現金で支払うお客さんを目にします。

 また、キャッシュカードをあえて持たない、あるいは使わないようにするという人も根強く、クレジットカード等に対して借金、成金などというマイナスイメージも残っているようです。一方、Aさんによれば、アメリカでクレジットカードは「Credit」の意味通り、まさに「信頼」「信用」の証だそうです。現金で支払う行為は怪しまれることに繋がりかねず、ましてや、持っていないなんてことになると、経歴や素性の知れない人という扱いをされるといます。

 他にも、日本ではクレジットカードを給料日前などお金が足りない時に使ってしまったり、そもそもお金がないので分割して高額なものを買うことがあると思います。要はお金がないときにクレジットカードに頼ってしまうというイメージです。それに対し、アメリカでは、お金があり余っているようなお金持ちが、あえてクレジットカードを使うというのです。これを社会的信用の履歴を積み重ねる「クレジットヒストリー」と言います。クレジットヒストリーがないと信用されないので、お金持ちはあえて車など大きなものをローンで買うといった行動をすることがあるそうなのです。

 では、こうなると現金の存在はどうなのかというと……あまり持ち歩かないそうです。クレジットカードが主流ということだけでなく、現金を持ち歩くのは危険というのも理由にあります。足の付かない現金の方が盗まれる可能性があるからです。お店でも現金を出すと嫌がられる場面も多いので、大人が持ち歩く現金は、日本円にしてせいぜい2000円くらいの人が多いのでは? とのことでした。

アメリカでは専業主婦がレア

 次にAさんが違いを感じるのは、「専業主婦」の多さだと言います。

 日本でも、女性の社会進出を促進しようとする動きも拡がり、実際に共働きも増えています。一方、Aさんによれば、アメリカでは「専業主婦」という概念がないに近いというのです。

 日本でいう「専業主婦」に近いのは、大金持ちの男性が周囲に自慢するために美しい妻を持つ、いわゆる「トロフィーワイフ」。でも、これは日本のように、主に家で家事や育児をする専業主婦を指すわけではありません。妻が働く必要がないほどのお金持ちで、なおかつ家事はお手伝いさんの仕事。ただキレイにしていればいい、というイメージだとか。華やかなパーティーに同伴するなどの出番はあるようで、「トロフィー」だけに、まるで飾り物……。

 これを聞くと、日本の一般家庭の専業主婦とは大きく違いますね。

 また、家計管理においても、日本の一般的な専業主婦家庭では、夫が通帳や印鑑、クレジットカードなど妻に渡し、月々の一定の取り分で過ごす「お小遣い制」が根強く残っています。

 アメリカでは、そもそも大半が共働きですし、自分の稼いだお金は自分のものという考え方が主流。アメリカ男性にお小遣い制にするなどと言ったら怒られそう、と感じるとAさは言っていました。

 金銭面で夫婦が協力し合うことはないのか尋ねると、夫婦の共同口座があるそうです。日本は、夫婦名義の口座を作ることはできないので、必ずどちらかの名義となりますし、入籍してからは自分名義の通帳を持っていない専業主婦も多く存在します。

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