小川彩佳アナの『NEWS23』メインキャスター就任に期待すること

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 前掲「Asahi Shimbun Digital & W」に掲載されたインタビューで小川アナは、傍らで見続けた古舘氏に姿勢に学ぶものがあったと語っている。

<原発問題の報道のときは非難もたくさんありました。しかし、古舘さんはぶれずにこだわり続けられた。言葉以外にも、表情で訴えていました。私は古舘さんの姿勢から、強い気持ちがあれば、言外に滲むものが必ずあり、それは視聴者にも伝わるということを気付かされました。私は、テレビの前の方々と番組をつなぐ“鎹(かすがい)”のような存在になりたい。視聴者のみなさんやニュースの当事者に寄り添いたい。ひとりの人間として、言葉、あるいは言外に滲むものに、”この人もこんな風に思っているのかな“と視聴者の方に感じていただくことで、少しでも誰かの救いになったり、共感していただくことで、ひとりじゃないと思ってもらえたら……。そういう思いでとりくんでいこう、そのために最良の言葉をつねに探し、紡いでいく努力をしようと思うようになりました>

 小川アナが『報道ステーション』で行ってきた仕事は古舘氏の姿勢から学んだことを受け継いだものといえる。

 しかし、『報道ステーション』がリベラル色の強い報道番組からワイドショー的な番組へと骨抜きにされる流れで小川アナは番組を卒業した。

 「週刊文春」(文藝春秋)2018年8月30日号によれば、このリニューアルの流れのなかで、原発問題などで優れた仕事を残してきた古株スタッフまでもが仕事を奪われたというが、小川アナも同様に「左遷」ともいえるネット番組への移籍となった。

小川彩佳アナの心に引っかかっているもの

 彼女がこれからメインキャスターを務めると報じられている『NEWS23』は、『報道ステーション』までもが骨抜きになってしまったいまでもなお、リベラルな姿勢を貫いている貴重な報道番組のひとつである。

 このなかで小川アナがどんな言葉を伝えてくれるか、期待は募る。忖度のない政権批判もさることながら、「女性差別」や「セクハラ」の問題においても、働く女性の立場から鋭いコメントがなされることだろう。

 というのも、2018年12月に出版されたムック本「AbemaTV Bros.」(東京ニュース通信社)では、こんなことを語っているからだ。

<たとえば今、私は独身で働いていますが、この先できれば子どもを生みたいという願望もあって。でも、年齢的にどうなのかなという微妙な立場でもあるのが、等身大の小川彩佳なんですけど、世の中には同じような立場の女性がたくさんいらっしゃると思うんですよ。30代の働く女性で、キャリアも築いてきて……一番大変な時にいろいろと重なってきたりもするという(笑)。そういった自分自身の心に引っかかるようなニュースを報じる時に、何かプラスアルファで感じていただけるような伝え方ができるのであれば、私が伝える意味や意義もあるかもしれない、と考えてはいるんですよね>

 地上波テレビに戻ってきた小川アナの舌鋒鋭いコメントに期待したい。

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