堀ちえみさんに“かわいそう”発言でバッシングも、病気をエンタメとして消費するテレビ

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「病気の公表」もエンタメとして消費するメディア構造がバッシングを生む

 松嶋尚美や安藤優子に対して、「配慮に欠けた発言をすべきでない」と批判が飛ぶのはもっともだ。では、著名人の病気について、どうコメントすれば配慮ある適切なものといえるのだろうか。

 ひとつの例は、フィギュアスケートの宇野昌磨選手の言葉だ。宇野選手は、今月12日、アメリカの大会から帰国した空港で、記者から池江選手が白血病を公表したことについて質問された。

 すると宇野選手は、「白血病に関してはあまり知識がない」としたうえで、「ケガや病気はやはり自分が一番つらいことなので、僕がそんな無知な状態で発言できるほど何も知らないし、僕はその(発言する)権利はないと思います」と述べるにとどめたのだった。

 知識のないことに首を突っ込んで軽はずみなコメントをするのではなく、その人を思いやる気持ちから発言を控えるという慎重な態度は、ひとつの正解といえるだろう。

 ただし、テレビ番組などマスメディアでコメントを求められた場合、「自分は何も言えない」と返すことが容認されないことがほとんどだろう。仮に『バイキング』で松嶋尚美が「親交があるがゆえに、軽々しくコメントできない」と言っていたら、番組司会の坂上忍は松嶋に執拗なツッコミを浴びせたかもしれない。炎上でもなんでもいいから、知識のない事柄についてであっても、適当なコメントをすることが出演者には求められているのだ。

 堀ちえみさんは一世を風靡したアイドルであり、バラエティ番組出演も多いテレビタレントだ。そして池江選手は東京オリンピックでの活躍を期待される世界トップレベルのアスリート。彼女たちのような著名人が重い病気にかかったことを公表すれば、ニュースのトピックとして扱いたくなるのは当然だろうが、それをエンタメとして消費するメディアの姿勢自体が、出演者へのバッシングを生むのではないか。当事者や家族への配慮にも欠けていることは言うまでもない。

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