マツモトキヨシ業界4位転落なぜ? 仁義なきドラッグストア戦争の意外な内幕

【この記事のキーワード】

「ウエルシアとマツモトキヨシを単純な売上高で比べれば、ウエルシアがかなりリードしていますが、じつは利益率はマツモトキヨシの方が高いはずです。それは、ウエルシアが拡大路線を敷くために、“スーパーマーケット化”を目指しているからでしょう。現在、マツモトキヨシを除くほとんどのドラッグストアがスーパーに対抗意識を燃やしており、かなり強引な値引き販売を目指しています。

 薄利多売のビジネスも出るであるスーパーは、仕入れ先のメーカーからどれだけ安く商品を仕入れられるかが命と言えますが、それはどれだけ一度に大量の商品を仕入れられるかにかかっています。すなわち、どれだけ個数をさばけるかということ。つまり、ドラッグストアが“スーパーマーケット化”を目指すには、売上高をあげてメーカーとの交渉力を持つ必要があるということです。ですから、経営戦略的には目先の利益率は多少犠牲にしてでも、規模の拡大を狙ったほうがいいということになるのでしょう。

 スーパーは店内の目立つところに目玉の激安商品を置いて客を引き付け、別の商品も一緒に買ってもらい、トータルで儲けようというような戦略を取っていますが、これまでドラッグストアはこの戦略は取り入れていませんでした。ウエルシアなど近年勢いのあるドラッグストアは、こうしたスーパー的な販売戦略で急成長していますが、薄利多売化しているため、利益率は下がっているはず。

 ただ、ドラッグストアの場合、そもそもの主要商品だった『薬』が大きな武器になるでしょう。薬は利益率が非常に高い商品なので、そこで得た利益を投入し、限界まで安売りをしてでもスーパーに対抗し、売上高を拡大しようと考えているのではないでしょうか」(加谷氏)

あえてトレンドに乗らないマツモトキヨシは独自路線を進む

 ロードサイドに多くの店舗を置いているウエルシアと、駅近といった都市部に多くの店舗を置いているマツモトキヨシでは、ビジネスモデルに大きな違いがあるようだ。

「ロードサイド型の店舗の場合は、極論で言えば競合相手はイオンモールになります。イオンと戦うということになると、週末などに車で来て、野菜からビールといった何から何まで、全部まとめ買いしてくれるお客さんが対象ということになります。ですから商品はフルラインナップが原則となるのです。“ありとあらゆるものがある”という形で商品を陳列し、値引きをするので、売上高は高いですが、利益率は犠牲になります。

 一方で、マツモトキヨシのような都市型の店舗では、車で乗り付けてまとめ買いをするという買い方の客は、ほとんどいません。通りを歩いている人がフラっと入ってきて、そのとき必要な商品や、興味を惹かれる商品があったら買うといったスタンスでしょう。そのため商品のラインナップも、すべてをカバーする必要はまったくありません。ドラックストアの“スーパーマーケット化”に迎合せず、高収益型の商法を維持しているのです。つまり、両者は根本的にビジネスモデルが違うと言っても過言ではないのです。

ロードサイド型主体のウエルシアと都市型主体のマツモトキヨシでは、もはや『ドラッグストア』という同一業態として、ひと括りにして比較するのも難しいというのが実情でしょう」(加谷氏)

1 2 3

「マツモトキヨシ業界4位転落なぜ? 仁義なきドラッグストア戦争の意外な内幕」のページです。などの最新ニュースは現代を思案するWezzy(ウェジー)で。