
中居正広
中居正広の冠番組『ナカイの窓』(日本テレビ)における中居正広と陣内智則の発言が炎上し、一部ではBPO(放送倫理・番組向上機構)に訴えかけようという動きまで出ている。
問題とされたのは、2月27日深夜放送の回。この日の放送では「世直しの窓」と題して、中居正広、指原莉乃(HKT48)、ヒロミ、バカリズム、陣内智則のパネラー5人が世の中に対する不満を語り合うコーナーが放送された。
そのなかの「コンビニのココを直して!」というブロックのなかで中居正広は、外国人のコンビニ店員とのやり取りにおけるコミュニケーションのトラブルをあげて、このように語ったのだ。
<外国人の研修生、最近なんか増えてるのよ。一万円札渡して、で、お釣りを千円札でほしかったんです。で、『お釣り千円で』って言ったら、『なんですか?』って言うから、『釣り千円で』って言ったら『ずりせんですか?』(と返ってきた)。『釣り千円で』って言ったら、『ずりせんですか? ちょっとすいません。店長さん、店長さん。ずりせん。ずりせん。なんですか?』って言ってた>
「お釣りは全部千円札でください」と言うならまだしも、「お釣り千円で」だけでは、日本語を母語とする人でも「なんですか?」となるような気がするが、「ずりせんですか?」発言を小馬鹿にした中居の仕草にスタジオは爆笑に包まれる。
そして、中居のエピソードトークに続けて、今度は陣内智則がコンビニの外国人店員とのやり取りについてこのように語った。
<「てにをは」を間違える人とかね。『500円です』を『500円でいいです』とか言う人いますよね。『なんでそっちでまけてくれたん?』みたいな>
これにもスタジオは爆笑。しかし、これを笑っていいエピソードトークと捉えることはできかねる。
外国人労働者の日本語能力を嘲笑する空気
話を披露した中居や陣内にせよ、スタジオで笑っていた人間にせよ、彼らのうちどれくらいの人々が、たとえば英語を使ってレジでのやり取りをネイティブ並みによどみなく行うことができるだろうか。
もっといえば、英語以外の第二外国語、韓国語でも中国語でもタイ語でもフランス語でもドイツ語でもスペイン語でもなんでもいいが、日本語と英語以外の言語のいずれかのネイティブ話者が早口で言う「釣り千円で」に類する言葉を聞き取れるか。また、日常会話のスピードで助詞を間違うことなく完璧な文章をつくることができるかといえば、おそらくほとんどの人間ができないだろう。けれど、スタジオには外国人のコンビニ店員を嘲笑するような笑い声が響き渡ってしまった。