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女子の就活をめぐる空気はこの10年で明らかに変わった 性的な思惑「かわす」から「拒絶」へ

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30代40代男性の方!女の子に歌って欲しい曲は?

 ほぼ10年前、2010年のトピ。トピ主は女子大学生。お世話になった先輩に頼まれ、さらにその先輩がお世話になったという30〜40代の男性数名と、食事からのカラオケに一緒に行くことになったのだという。

「その男性方は私が目指している職業に就いていらっしゃる方々でもあり、大学のOBでもあるのですが『事務所見学とOB訪問を兼ねて、若い後輩と交流したい!何人か連れてきてよ~』というノリのようです」

 トピ主は、勉強にもなるだろうしお世話になった先輩に頼まれたということで快諾したが、カラオケで何を歌えばいいのかわからないという。

「『大塚愛のさくらんぼを歌って欲しい』というリクエストが先方から来ているのですが、そのほかにも、30代40代の男性が知っていて、女の子が歌って盛り上がる曲はありませんか?

私が普段歌う曲は、アニソンOR洋楽ORパンクという、残念ながら限りなく合コン受けのしないジャンルです。むしろクイーンとか歌えば世代的に案外盛り上がるかなーとも思いますが冒険ですか?

さまざまなご意見お待ちしています!お願いします!」

 これも今の時代だとかなりグレーな雰囲気ではないか。もう男性の欲望がダイレクトに学生に伝わってしまっているからだ。

「OB訪問を兼ねて若い後輩と交流したい」それも「女の子限定」である。当時からそういう思惑でOB訪問を引き受ける男性たちはいたのだとよくわかるトピだ。

 だが時代の空気的に、当時、これは「そういうもの」と受け止められた。コメントではこのシチュエーションを疑問視する声はなく、のんきにおすすめ曲などが書き込まれていた。女子大学生に大塚愛の『さくらんぼ』を歌わせて盛り上がりたい……って、スナックにでも行ってこい、と思ってしまう。

 しかし過去のトピを見返すと、ほんの10年で世の中はちゃんと変わるのだとわかる。かつては女性側も、採用側や企業側にいる男性からのオフィシャルなオーダーに隠された『男としての欲望』に薄々気付きながら、それを明るくかわしていたのだなとひしひし感じた。もうそんなふうに過剰適応しなくてもよい時代になったことを嬉しく思うとともに、まだまだ一部の男性たちの意識は当時のままで進化していないのだという残念な気持ちにもなった。

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