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もはやYouTuberは“個人事業主”ではない! YouTuber事務所の乱立と大問題

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現在人気のYouTuberたち。(左)ヒカキン(公式Twitterより)/(中)はじめしゃちょー(公式Instagramより)/(右)ラファエル(公式Instagramより)

 国内トップクラスのチャンネル登録者数を持てば、その年収は“億”を超えると言われているYouTuber。いまや小中学生の憧れの存在であり、「将来なりたい職業」ランキングにも常連なるほどの存在感を発揮している。

 “個人事業主”と思われがちなYouTuberだが、多くの人気YouTuberが事務所に所属している。たとえばヒカキンやはじめしゃちょーは業界最大手の「UUUM」に所属。過激動画で炎上しがちなラファエルは、昨年「Kiii」に移籍して話題となった。

 人気YouTuberの台頭とともに、YouTuber専用の事務所はその数を11にも増やしている。しかしその内実は明るい話題ばかりではないようだ。

 今年2月、チャンネル登録者数約297万人(2月25日現在)を誇る人気YouTuber「ヒカル」を擁する大手YouTuber事務所「VAZ」に、所属YouTuberたちの告発による給与未払い問題が勃発。細かな事情は明らかになっていないものの、事務所のマネジメント体制に不備があるのではないかと、ファンからは批判が集まって炎上した。

ヒカル所属のYouTuber事務所「VAZ」、給与未払いや事務所内カースト告発され混沌

 人気YouTuber「ヒカル」を擁するYouTuber事務所「VAZ」が、給与未払いやいじめ問題で炎上している。 女性YouTuberの「わかにゃ…

ウェジー 2019.01.31

 現在、多くのYouTuberが事務所と契約を交わして活動をサポートしてもらっているが、そもそもYouTuberはここ数年で急激に増えて“金になる”ようになった職業だ。まだ業界の環境はしっかりと整っていない印象も強い。

 たとえばタレントが所属する芸能事務所ならば、テレビなどの“仕事を取ってくる”という役割があるだろう。しかし、誰でも投稿できるYouTubeを活動のメインとしているYouTuberは、自分で撮影や編集をするのが基本である。それならば、YouTuber事務所はいったい何をしているのだろうか?

 そこで、YouTuberを取り巻く環境やYouTuber事務所の存在意義について、業界に詳しい経済評論家の加谷珪一氏に話を伺った。

YouTuber事務所は芸能界のタレント事務所に近づいている

 まずは、炎上騒動を起こしたYouTuber事務所「VAZ」についての所見を聞いた。

「今回の騒動について公式に明かされている部分だけでは、本当に未払いがあったのかということも、今ひとつ分からないというのが正直なところです。ですが、少なくともYouTuberのマネジメントがきちんとできていなかったというのは事実でしょう。VAZは2015年に設立された新しい会社なので、まだ体制が整っていないのかも知れません。このままでは、次世代型の主力メディアともいえるYouTuber専用のタレントを養成していくには、問題があるように感じます」(加谷氏)

加谷珪一/経済評論家
大学卒業後、出版社を経て、野村グループの投資ファンド運用会社で、企業評価や投資業務を担当。2000年に独立し、中央省庁や政府系金融機関に対するコンサルティング業務に従事している。著書に『お金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)、『億万長者への道は経済学に書いてある』(クロスメディア・パブリッシング)などがある。
オフィシャルサイト http://k-kaya.com/

 では、そもそもYouTuber事務所というのは、どのような業務を行っているのだろうか。

「YouTuber事務所という存在自体ができたばかりですので、どのような役割を担う存在なのかということもまだ固まっていない状態だと思います。たとえば、YouTuberが活動できるように企画を立て、動画を撮影するという作業を代行したり、アップした動画のアクセス数を管理して次の企画につなげる分析の作業をしたりという仕事を行っているところもあります。ですが、これだけならYouTuber自身がやることもまったく可能なので、“事務所に存在価値がない”という話も、ある意味で成立してしまいます。

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