心が楽になる人付き合い指南〜ひとをきらうのは、罪でも何でもない/『誰かが私をきらいでも』及川眠子さん

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知性がなければ自虐もできない

――人生が楽になるために「ブス、バカ、おばさんは、強力な防御壁となる」とあります。特に「おばさん」には、とても共感しました。

及川:おばさんになることっては武器です。だって、ごまかしがきくもの。変につっぱねて人間関係にヒビをつくるよりも、「更年期障害だからムリ!」って逃げたり「年だから覚えられない」ってその場を緩和させたりする力がありますから、それを使わない手はないです。

若いころは、つまらないことで悩むこともある。でも年齢を重ねると、傷つくことの“受け身”が上手になります。柔道などで、投げられたときにダメージを減らすために取る、あの“受け身”です。それは経験。もちろんおばさんだって傷つくことはありますが、受け身が上達するし、忘れることで、治癒も早くなるから。

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心が楽になる人付き合い指南〜ひとをきらうのは、罪でも何でもない/『誰かが私をきらいでも』及川眠子さんの画像2 ウェジー 2018.07.18

もちろん若さや美しさも武器です。なぜそれを使わないのって思う。たとえば仕事上で、女を武器にしているといわれたくなければ、「自虐」をうまく使いこなす。「化粧品代にいくらかかっていると思っているんですか!」ってね。自虐って、知性ですから。知性のない人間には、自虐はできません。本当に知性がないひとは「知性がないでーす」って自虐するひとを悪く言えないもんです。

――自分をブレさせないということと同時に、大人は矛盾した存在であるとも書かれています。どうやって両立させたらいいのでしょう。

及川:ブレないとは、客観的に自分を見ているということです。「コレ、こないだ言ったことと違うな」と自分で気づいているかどうか。「嘘は絶対に良くない」と考えていても、嘘をつかざるを得ないときってあるでしょう? 嘘をついているとわかっている自分がいて、嘘をつかなくてはいけない場合もあると認識できているかどうか。その嘘のうえに、無意識のうちに、あるいは嘘を隠すためさらに嘘を重ねると齟齬が生まれますが、客観視できる自分がいれば、うまく調整できますあとは、記憶力ね。発言のたびに言うことが変わるひとは、たいてい記憶力が悪いんですよ(笑)。

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