生きづらさを感じている女性に「届けたいメッセージ」はない/『誰かが私をきらいでも』及川眠子さん

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 仕事や恋愛、人生がうまくいかず「生きづらさ」を訴えるつぶやきが、SNS上にはあふれています。ただ幸せに生きたいだけなのに、どうしたら幸せだと感じられるのかにすら、迷っているひとも多い昨今。

 文筆家としても活躍する作詞家の及川眠子(おいかわ ねこ)氏は、このほど出版した著作『誰かが私をきらいでも』(KKベストセラーズ)で「幸せかどうかは、自分が決めるもの」と説いています。Wink「淋しい熱帯魚」や、テレビアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の主題歌「残酷な天使のテーゼ」など数々の名曲を世に送り出し作詞家として成功する一方、私生活では元夫のために3億円も費やすなど、波乱万丈な道を歩んできました。

前篇はこちら:心が楽になる人付き合い指南〜ひとをきらうのは、罪でも何でもない

自分のケツは自分で拭く

 本書でつづられている「きらわれることを恐れない」という人生哲学についてうかがった前篇に続き、どのように「自分」を貫いて生きてきたかを教えてもらいました。

――人生を楽に生きるために、自分が好きな自分であるための思考の持っていき方や、自分の頭で考えるための方法など、読んでいると心のモヤモヤが解けていきます。そのなかで『最後の選択肢として自殺を否定しない』ということについて書かれた章は、生きること自体と真逆のようであっても、本当に追い込まれているひとには救いになるだろうなと感じました。

及川:だって「絶対に生き抜け」って、こんなにしんどいことはないでしょう?

18歳年下のトルコ人の夫と離婚したとき、私が背負った借金は7千万円。「ふつうなら2回クビを吊る額だよ」「どうするの!?」って周囲から言われたけど、どうするもこうするも、返すしかないですよね。元夫にだまされたとはいえ見抜けずに借りた自分の責任で、自分のケツは自分で拭くしかないんだから。

返せなかったらどうするか、「そのときは死ぬよ!」と思っていました。そのために保険をかけていましたから。どれだけキツいときでも、絶対に解約しませんでしたし。だめだったら死ねばいい、でも自分はいま死にたいのか、いいえ死にたくない。じゃあ働いて返すしかないという考えね。死ぬという選択肢が残っているから、楽になりました。

――借金じゃなくても、困ったときに逃げ道があるかないかで違うんですね。

及川:借金なんて、財産のひとつですから。まだ完済はしていませんが、やっとトンネルの先が見えてきて仕事のモチベーションになっています。そう考えればいいだけ。どうしよう、といっても仕方ないし、もう働くしかないんですよね。

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及川眠子
生きづらさを感じている女性に「届けたいメッセージ」はない/『誰かが私をきらいでも』及川眠子さんの画像1 ウェジー 2016.07.29

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