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IQOS(アイコス)の全米販売が許可されない理由 加熱式タバコの室内汚染に注意

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IQOS(アイコス)

 受動喫煙対策の対象か否か、加熱式タバコを巡って議論が続いている。そのさなか、愛煙家の飯島勲氏がプレジデントオンラインのコラム(https://president.jp/articles/-/27472)で、受動喫煙対策に対して吠えた。

<あれだけ止めておいたほうがいいと言っていたのに、タバコ撲滅を進めた東京都の小池百合子知事に続き、またもや感情論で、タバコ撲滅を目論む計画が、兵庫県が進んでいる>

 受動喫煙対策の先進県として「“法律より一歩進んだ対策”の実施を提案する」という方針から、紙タバコ同様、規制対象に加熱式も含む見直しを計る兵庫県(井戸敏三知事)を腐した一文だ。

タバコが絶対禁止なら酒も車も禁止しろ!という暴論

 飯島氏は第2次・第3次・第4次「安倍内閣」の内閣官房参与。いわゆる政界のご意見番だが、受動喫煙対策について以下の主張を展開している。

<私はタバコを吸う。そして、タバコを嫌いな人が多数いることを承知している。議論で意見が分かれたとき、私たちはどうすればいいのか、それは科学的根拠に基づいた公平・公正な議論をすべきなのである>

 大いに同感するところだが、その論旨展開がいただけない。

飯島氏は<話は大きく2つに分かれている>と前置きし、1つ目は<“タバコは絶対禁止”にするのであれば、タバコよりも社会的に損失を与え、健康被害が明確に確認されている“お酒”についても“絶対禁止”にする必要がある>と述べている。なぜならば、<飲酒による事故やDVなどの社会的損失は厚生労働省研究班の調査によると4兆円以上で、タバコは半分の2兆円>であるし、<酒場でのセクハラやパワハラは日常茶飯事だから>だ。

 さらに交通事故(=自動車)までもやり玉にあげて、<タバコ以上に危険な代物だ。クルマの排気ガスだって危ない>とし、<精神を落ち着かせる効果を持つ喫煙と感情的になりがちな飲酒。タバコだけ禁止という根拠をぜひお示しいただきたいものだ>と主張するが、それこそ感情論剥き出しではなかろうか。

「IQOS(アイコス)」が全米販売されない理由

 加熱式タバコについて、米国の政府機関であるFDA(アメリカ食品医薬品局:Food and Drug Administration)委員会は次のような見解を出している。

FDAは「リスクが低減されたとは認められない」

 灰も煙も出ないから「周囲の空気を汚さない」ので「室内や車内でも使用できる」し、何よりも「有害成分を90%削減」した――加熱式タバコを販売する大手メーカーが異口同音で謳う利点だが、その代表格である「IQOS(アイコス)」の全米販売が許可されないのは、このFDAの簡潔な見解にあるのだ。

 くだんの兵庫県も「現時点で健康被害の恐れがないとの証明がなされていない」との立場を取るが、飯島氏は<これは「悪魔の証明」と呼ばれるもの><「健康被害の恐れがない」との証明などができるはずがない>と、コラム終盤でも吠えている。

 一方で“たばこの煙のない五輪”を目指して成立・公布された改正健康増進法だが、加熱式タバコは「当該たばこから発生した煙が他人の健康を損なうおそれがあることが明らかでないたばことして厚生労働大臣が指定するもの」とされ、「骨抜き」と揶揄されている。現・当該大臣の根本匠氏は「自民党たばこ議員連盟」所属――というのはうがった見方だろうか。

 この健康被害をめぐるFDAと厚労省との日米格差が、昨年の加熱式タバコ利用者540万人(=世界の98%を占める)という日本人のガラパゴス化を生んでいるのは明確だろう。

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