感覚、感性だけで判断するリスク
余談ですが、私もその「勉強会」に参加したことがあります。そこは「専門家」へのインタビュー動画をみんなで見て、意見を交換するという催しでした。ところが動画は看護士やら薬剤師の語る「自分の思う、ワクチンが危険と思うポイント」であり、成分の一部を取り上げて不安を煽るなど、情報の妥当性がよくわからないものばかり。〈専門家風〉の人たちが“そう思った”ことだけはわかりましたが、有料で発信するレベルの情報なのか? と疑問しか浮かばない不毛な時間でした。
ママ手作りの離乳食は安心・安全・愛情たっぷり、という刷り込みへの疑問
生後5~6カ月になると、1日1食の離乳食を与えることを推奨される。個人差はあるだろうが、歯が生え始めてきたり、大人が食べているのを見てヨダレを垂らし…
動画鑑賞の後はホメオパスが登壇し、お母さんたちの質問に回答。唖然としたのは「二人目の子どもを希望しているが、風疹の予防接種を受けようかどうか迷っている」というお母さんへのアドバイスです。「風疹に対応できるレメディもありますよ」とにっこり……。砂糖玉(=レメディ)をワクチンと同列に語るなんて、なんつー無責任な。
さらに「自然なお産」を推す有名人の娘さんも登壇し、見目麗しい笑顔をふりまきながら「都会に住んでいるけど、こんなに自然派育児を楽しんでいますよ」といったトークを披露。
「勉強」って一体何でしょう? 今回のワクチンイベントでも登場した森戸氏の金言「感覚や感性で選んだと言っても、知識があったうえでの感性でないと」を、グッズ化してばらまきたくなりますね。
久住氏は反ワクチンが生まれる背景について「ワクチンは国や自治体が『やりなさい』と圧力をかけ、国家権力や医療者が結託しているように見えるので、反知性・反科学・反権力の歪んた形が向きやすい」と解説していましたが、こういったイベントに参加していた方々にも、その構図に気づいていただける日が来るとよいのですが。
イベント開催直前、『MMRワクチン告発』(原題:Vaxxed)なる映画が劇場公開中止となった騒動があり、当然その件も話題に上ります。反ワクチンではないと主張していたはずの日野市議員が「映画公開中止にがっかりとか言っちゃってたので(反ワクチン勢だと)ばれましたね」と、ナカイ氏がツッコミ。