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毎月勤労統計だけではない、生活保護費引き下げに使われた「消費者物価指数」をめぐるもうひとつの統計疑惑

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「Getty Images」より

 今年に入ってから、政府統計の信頼性に疑義がかけられる事態が相次いでいます。事の発端は2018年9月、厚生労働省が発表する毎月勤労統計調査において、統計上の所得が高めに出ているのではと西日本新聞が報じたこと。

 「統計所得、過大に上昇 政府の手法変更が影響 専門家からは批判も」(西日本新聞 2018年9月12日)

 毎月勤労統計調査は、本来500人以上の事業所については全数調査を行わなければならないのですが、2004年より東京都の事業所の3分の1を抽出し、その補正も行わずに集計したことが発覚。これによって、実態よりも賃金が低く集計される可能性があると、東京新聞が報じていました。

  「勤労統計調査ずさん 厚労省、東京地区 対象一部のみ抽出」(東京新聞 2018年12月29日)

タイミングがよすぎる不正統計の時代背景

 折しも2002年から2003年にかけて完全失業率が5%を超え、雇用保険受給者数が111万人にまで膨れ上がったこともありました。そのため、1993年には4兆7,500億円のストックがあった雇用保険給付にかかる積立金が、2002年には4,064億円にまで激減しています。

 毎月勤労統計調査によって集計された平均給与額のデータは雇用保険、労災保険の給付額に影響を及ぼします。

 不正な統計処理が行われたタイミングが、こういった時代背景とあまりにも都合よくマッチングしてしまうため、「給付金を減額する根拠作りとして不正な手続きが行われていたのではないか」と国会で「統計不正問題」として取り上げられることになったわけです。

 さらに2018年1月より、毎月勤労統計調査にて抜き取り調査した東京都のデータを全数調査に近づける補正を始めていたことも判明しました。これによって先に西日本新聞が報じたように、賃金上昇率が過大に上昇した形になっています。

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