社会

毎月勤労統計だけではない、生活保護費引き下げに使われた「消費者物価指数」をめぐるもうひとつの統計疑惑

【この記事のキーワード】

GDPを見せかけで32兆円膨らませたのと同じ手口

 これは、GDPの計算方法を2016年12月に変更したことによって32兆円増加したように見せかけたのと同様の手口です。「アベノミクス効果」としてアピールしたいがための工作ではないかという疑念が持たれています。国会では立憲民主党の小川淳也議員を中心にこの疑惑を追及しているところです。

 総務省行政評価局の専門チームは、この統計の不正調査の原因が厚生労働省の「事なかれ主義」にあると批判。調査手法を適切に改めず、前任からの引き継ぎを続けるなど、ガバナンスに大きな問題があったと認定する方向です。

 「賃金統計不正、「事なかれ主義」=来月上旬に緊急報告-総務省」(2019年2月27日 時事通信)

  調査が適切に行われない現状を「職員の不足」に関連づけて物申す方も多くいらっしゃいます。確かにデータを見れば、職員数は減少していることがわかります。

 2012年に一気に1700人近くの統計職員が削減されています。また厚生労働省内でも10年で約100人の削減がなされています。

 さらには統計リテラシーを育成する環境の不備も指摘されています。高校の数学Iでは「データの分析」という単元があり、平均、中央値、四分位数、分散、標準偏差、相関といった用語は学習します。しかし、2015年のセンター入試数学ⅡBにおける「統計」の選択率が3.5%であることからもわかるように、大学入試に向けたより高度な統計に関する学習が行われていない現状があります。

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