地震大国・日本で知っておきたい「震災前後のお金のこと」

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地震の「前」のお金を考える

 地震大国に住む者として、お金の面で考えるべきは次の3つです。

・地震保険
・預貯金
・現金

 まず、地震保険です。多くの世帯は、火災保険には加入していても、オプションのような位置づけにある地震保険に付帯していません。戸建の持ち家で、まだローンが多く残っている場合はしっかり検討してください。もし地震により、現在の持ち家から賃貸に移り住むことになってもローンが無くなるわけではないからです。

 地震保険に加入していた場合、阪神淡路大震災で多く発生した火災や東日本大震災での津波、北海道胆振東部地震での液状化などによる被害に保険金が支払われる可能性があります。

 火災保険の30%~50%までの補償なので、例えば、建物に対し2000万円の火災保険契約をしていたとしても、地震保険は最大で1000万円までしか補償されません。さらに、全損・半損・一部損と、被害に応じて支払われる額が計算されますし、全損であっても、まるまる元通りの建物や家財が手に入るわけではありません。

 地震による被害は、仕事にも支障をきたすことがあります。当面の生活を支える上で強いのは預貯金です。元々、株や債券、投資信託などよりも引き出しやすい資産ですし、東日本大震災の際は通帳や印鑑が無くても一定の要件を満たせば、引き出すことができました。これからの時代、投資・資産運用は必要ですが、預貯金への分散も必要になってくるでしょう。

 そして、最後に財布と家に備える現金です。キャッシュレス化が進んでいますが、北海道胆振東部地震では停電によりクレジットカードも電子マネーも使い物になりませんでした。筆者は通常の暮らしではキャッシュレスを強く推奨していますが、同時に一定額の現金も備えるべきと考えています。

 ただし、地震が増えているとはいえ、地震前提のマネーライフはおすすめしません。例えば、賃貸や分譲マンションなら地震保険は不要という結論になる場合もあるでしょう。預貯金だけで貯め込んで投資を避けることにも反対ですし、通常時は明らかにお得で便利なキャッシュレスは外せません。極端な考えに走らないようにしてください。

地震の「後」のお金を考える

 地震の「後」とは、被災された方の話ではありません。

 大きな地震が起きたとき、日本全体のことを考えれば被災しなかった人の方がはるかに多くなります。しかしそこで、「自分と家族が無事だったから良し」と終わるのではなく、もっとお金の面を広い視野で見て行動してみてください。

 東日本大震災の後、東証一部の実に97%の株が下落しました。原発の問題という特殊事情があったとはいえ、これは1987年のブラックマンデー、2008年のリーマン・ショックに次ぐ3番目の下落でした。

 北海道胆振東部地震は、北海道経済への大打撃となりました。公共施設などの建物や交通、農林水産業の被害はもちろんですが、宿泊施設や飲食店の予約キャンセルが大量に発生しました。広い北海道ですから、ダメージの無かった地域も多いのですが、「北海道」というだけでキャンセルが多発してしまったのです。

 地震大国・日本で、地震の度に必要以上の経済的縮小が起こるのは大問題です。企業が苦しくなれば、給料が上がらないことに繋がり、将来の自分や次の世代に影響が広がってしまいます。

 だからこそ、大地震の後の、圧倒的多数の被害を受けなかった人達の行動が非常に重要になるのです。支援やボランティアだけでなく、自粛や旅行などのキャンセルが本当に必要なのか、考えてみてください。普段通り冷静に、または普段以上にアクティブに行動できる状況の人もいるはずです。それが被災地や被災者のためにできることの1つなのです。

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