菅田将暉が『3年A組』で届けた長い長いメッセージ「これが俺が立てこもった最大の理由だよ」

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澪奈を殺した本当の犯人はSNS「マインドボイス」

 そして3月10日、朝8時を迎えると、宣言通り一颯は屋上にて、SNS「マインドボイス」でライブ中継を決行した。一颯の演説は校内放送でも聞こえるようになっている。

 まず、最初に澪奈が転落したビルから一颯が出てくる動画についてのネタばらしだ。「俺が作ったフェイク動画だ。景山澪奈の自殺とは何の関係もない」と種明かしをすると、ネット上は混乱。しかし一颯を叩く書き込みは途切れない。一颯はこう言う。

<混乱してるね~。なのに貶すことは忘れない、これだよ、これ! これが俺が立てこもった最大の理由だよ>

 一颯が立てこもった最大の理由。9話で音声処理がされ話題になった場面だ。それは、「SNSによる暴力を世に知らしめること」だった。「フェイク動画を作って状況を二転三転させることで、いかに自分たちが不確かな情報に踊らされているかを自覚させる」ためである。 

<1日目、お前たちは俺を生徒殺しの殺人犯としてネットで叩いた。2日目、3日目、4日目と次々に増えていく犠牲者の情報にお前たちは俺を凶悪犯としてネットで盛り上がった。 5日目、俺が誰も殺していないことや教師が標的だったことを知ると、今度は俺をヒーローとしてネットで称えた。6日目、武智の犯行を匂わせたらネットで武智に疑いを向けた。7日目、フェイク動画に映った人物を武智と断定してネットで追い詰めた。8日目、証拠もないのに武智をネットで徹底的に糾弾した。9日目、俺が新犯人だとわかるや否や矛先を俺に変えてネットで叩きまくった。そして今日10日目、すべてが嘘だと知った。
お前たちは、この10日間でどれだけ自分の意見を変えた? 信憑性のない情報を頼りにどれだけ心ない言葉をネットで浴びせた? 俺はそんなお前らの、愚かな行動をあぶり出すために、この事件を引き起こしたんだよ>

 一颯がこの話をしている最中にも中傷は書き込まれる。

<関係ねえじゃねえんだよ! これを娯楽としか思っていない、あんたに言ってるんだよ! おい、そこの、周りに流されて意見を合わせることしかできない、お前に言ってんだよ! お前ら景山の何を知ってたんだよ? 何にも知らねえだろ? 会ったことねえだろ、話したこともねえだろ! 大して知りもしないのになんであんなに叩けるんだよ。 うざい、キモイ、死ね。よくもまあそんなゲスなワードがポンポン出てくるもんだわ恥ずかしい。それだよそれ! そのお前の自覚のない悪意が、影山澪奈を殺したんだよ!>

<お前らネットの、何千何万という悪にまみれたナイフで何度も何度も刺されて、景山澪奈の心は殺されたんだよ!>

 これも9話で音声処理がされていたが、澪奈を殺した本当の犯人はSNS「マインドボイス」であると、一颯は考えている。澪奈はフェイク動画を流された後「マインドボイス」で受けた誹謗中傷の数々に耐えかねて、命を絶った……というのが一颯の理解だ。

 悪質なフェイク動画が澪奈を苦しめたことに違いはないが、それはいわば“一時災害”に過ぎず、すぐに「間違いだった」と理解してもらえていたら、澪奈の心が病むことはなかった。ネットの誹謗中傷、罵詈雑言という“二次災害”によって澪奈は幻覚や幻聴を感じるようになり、心配する家族や友達に対してさえ「みんなが私の悪口を言っているように思えて」、苦しんでいた。

 澪奈の親友であるクラスメイト・さくら(永野芽郁)は、「私が澪奈を殺した」と罪悪感に苛まれている。実は澪奈が亡くなった日、澪奈と一緒にビルの屋上に入っていったのは、武智でもなく一颯でもなく、さくらだった。さくらは澪奈の味方になれなかったことを謝りたくて、澪奈を呼び出したのだ。

 しかし、さくらのスマートフォンが鳴ると、“二次災害”に苦しみ幻覚や幻聴を感じていた澪奈は、「やめて!」「何でそんなこと言うの!」「何で私を責めるの!」と狼狽。「わかってる、さくらは味方だって。でもダメなの。皆が敵に見えて、そんな風に思う自分が嫌で、たまらなく嫌で、だからもう無理なんだ」と言い残して、屋上から飛び降りてしまった。友達さえも「敵」に見えてしまうようになった澪奈の孤独や苦しみはどれほどのものだっただろうか。

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