観光立国をめざすニッポンで、「パチンコ」と「ソープランド」を外国人にどう説明するか

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ソープランドはなぜ違法ではないのか

 さて、もう1つの建前としてソープランドがある。

 日本では売春防止法があるため、たとえばファッションヘルスやデリバリーヘルスなどでは本番行為が禁止されている。ところがソープランドでは本番行為が行われている。なぜ、摘発されないのか。

 まず、売春防止法が定めるところの売春の定義は以下の通りである。

 “第二条 この法律で「売春」とは、対償を受け、又は受ける約束で、不特定の相手方と性交することをいう。”(電子政府の総合窓口e-Govの売春防止法より)

 そして、この売春を禁止する条項として以下のように記されている。

 “第三条 何人も、売春をし、又はその相手方となつてはならない。”(同上)

 つまり、「不特定」の相手が問題なので、夫婦や交際相手など「特定」の相手の場合は該当しない。また、「性交すること」とされているため、手淫などは含まれない。

 これらの条文がキモだ。つまり、ソープランドでは、顧客とソープ嬢が性交まではしていないという建前で営業しているため、風営法の下に合法化されているのだ。

 逆に言えば、性交していることが客観的な証拠として押さえられた場合は違法とされる。そのため、店側は、「ソープ嬢と客が自由恋愛関係になって性交しただけで、店側は関与していない」という建前を通せる体制を維持している。

 だからソープランドはあくまで入浴施設であり、女性が性交以外のサービスをしているだけということになっている。また、性交を前提とした避妊具などの備品が置かれていても、それは女性が個人事業主として用意しているという建前になっている。

 実は売買春自体は違法だが、買春した者にも売春した者にも処罰はない。ただ、店側は売買春により利益を得ていたことがわかると罰せられるのだ。

売買春の当事者はなぜ罰せられない?

 店側が罰せられるのは、売春防止法の以下の条文による。(以下、電子政府の総合窓口e-Govの売春防止法より)

 “第五条 売春をする目的で、次の各号の一に該当する行為をした者は、六月以下の懲役又は一万円以下の罰金に処する。”

 ここでは勧誘が罰せられている。

“第六条 売春の周旋をした者は、二年以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。”

 ここでは斡旋が罰せられている。

“第七条 人を欺き、若しくは困惑させてこれに売春をさせ、又は親族関係による影響力を利用して人に売春をさせた者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。”

“第九条 売春をさせる目的で、前貸その他の方法により人に金品その他の財産上の利益を供与した者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。”

 ほかにも細かく定められているが、要するに、本来は売買春の勧誘や斡旋、契約、管理などを行った者が罰せられるのだ。

 したがって、店側は、前述の建前の下に営業している。

 ちなみに、売春(売る側)した当事者が罰せられないのは、経済的理由などでやむにやまれず売春した社会的弱者である可能性があり、保護や更生すべき対象であると考えられているためだ。あるいは、何らかの脅しにより搾取のために売春させられている可能性もある。とはいえ、近年は社会的弱者とは言えない女性が小遣い稼ぎのために行う場合もあるとして、この考え方に疑問が呈されている。

 一方、買春(買う側)については、性的虐待や搾取される側を保護するために、出会い系サイト規正法、児童買春・児童ポルノ処罰法などの売春防止法以外の法で罰することができるようになっている。

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