社会

東京入管が体調不良を訴えたクルド人男性の救急搬送を拒否 ひどい人権侵害が日本で起きている

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 2014年には、同じ牛久市の入国管理センターで、インド人の男性が仮放免申請が不許可となった翌日に自殺する事件も起きている。男性は長期にわたる拘束に絶望したと見られている。

 2017年には、東京入国管理局で、虫垂炎の手術を受けたばかりのトルコ人男性が患部の痛みを訴えているのにも関わらず、1カ月もの長きにわたり診療を受けさせなかったことも明らかになっている。

 法務省入国管理局によれば、2009年以降に収容された人のうち施設内で死亡した人は13人。そのうち自殺者は5人もいるという。この数字からも、収容施設でいかに非人道的な扱いがなされているかがうかがえる。

外国人との「共生」について本気で考えなくてはならない

 問題点を多く残した状況で強行採決された改正入管法は今年4月から施行される。この法案の審議にあたっては、技能実習生を苦しめるブラック労働の問題など、日本に滞在する外国人に対する人権について様々な指摘があったのだが、周知の通り、安倍政権は問題点をまともに議論することなく強行に採決させた。

 このことから、現政権が外国人のことを人間として扱う気がないことがよく分かる。そして、今回の東京入管で起きた事件は、その延長線上にある出来事である。

 これからの日本社会は、外国人労働者とどう「共生」していくかという課題と今度こそ本格的に向き合うことになる。こんな状態でそれが可能なのか?

 そのために大切なのは、今回の問題だけに限らず、これまでずっと指摘され続けてきた入国管理局の収容施設における人権侵害の問題についてメディアがきちんと報じ、日本に住む人々ひとりひとりに考える契機を与えることだろう。しかし、今日のテレビはどこもピエール瀧容疑者の逮捕報道ばかりで、これだけ深刻な人権蹂躙の問題を取り上げたメディアはごくわずかに限られている。

 日本の入管行政は国連の人権関連の委員会から何度も勧告を受けている。社会的議論が巻き起こり、一刻も早く是正されなくてはならない。

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