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家事代行サービスへの「抵抗感」根強く 海外では税額控除など優遇措置も

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「Getty Images」より

 日本政府が標榜する“女性が輝く社会”。その実現をはばむ要素が日本の家庭文化にある。家事負担率の問題だ。

 総務省の「平成28年社会生活基本調査」によると、子どものいない共働き世帯における妻の家事時間は、1日あたり182分。29分の夫に対して約6倍もの負担だ。これが子どものいる共働き世帯だと「妻:233分・夫29分」とその差はさらに広がる。夫婦ともに外で働きながら、炊事や掃除、洗濯などは相変わらず女性の役目。この現状で果たして彼女たちが輝けるのか?

 育児休暇や保育サービスの充実といった育児面だけでなく、負担の多い家事をいかに減らしていくかも今後の課題といえるだろう。その解決策として、「家事代行サービス」に注目が集まる。

 政府も家事支援サービスの普及が女性の社会進出を後押しするとみて、さまざまな施策を講じている。サービス提供者の品質を確保するためのガイドラインを策定するとともに、優良事業者を認証するための認証制度も設置。政府のバックアップもあり、家事支援関連の業界は順調な伸びを示している。

市場規模は拡大中も、家事代行を阻むさまざまな要因

 家事代行サービスの潜在ニーズは高い。矢野経済研究所が実施した、国内の家事代行サービス市場動向調査によると、2017年度に見込まれる売上金額は906億円。前年度比3.1%増という勢いだ。経済産業省は同業界の将来の市場規模を約6,000億円と見込んでいる。これは、25~44歳までの女性2,000人に対して実施したインターネット調査にもとづき推計したものだ。

 確かに市場の成長は右肩上がりの傾向だ。ところが、女性の利用率に目を向けると、定着しているとまではいえない。ジャストシステムが実施した「家事代行実態調査」によると、高校生までの子どもがいる20~59歳の働くママのうち、家事代行サービスの利用経験があると答えたのは約2割にとどまる。そのうち、1,000万円以上の世帯年収の利用率が約4割に達していることから、年収の多寡も利用の意志決定に関連しているといえそうだ。

 野村総合研究所が2014年度に実施した、25~44歳の女性を対象とするアンケート調査をみても、家事代行サービスの利用率は約1%という結果。過去の利用経験者も含めた既存利用者の割合も約3%に過ぎない。そのうち、世帯年収700万円以上の共働き世帯が約44%を占めたという。

 同アンケート調査によると、利用しない理由として目立ったのは、「価格の高さ」「他人に家事を任せることへの抵抗感」「他人を家に入れることへの抵抗感」だった。

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