家事代行サービスへの「抵抗感」根強く 海外では税額控除など優遇措置も

【この記事のキーワード】

 実際、「家のなかを他人に見られたくない」という日本人は少なくない。散らかした状態でお客さんを迎え入れるのは失礼という感覚があるし、小さい頃に「きれいに片づけなさい」と親からしつけられた人も多いはず。親戚が来るお盆の前は家族みんなで大掃除、といった光景も珍しくない。

 「家事は主婦がやるもの」という、日本に根付いた価値観も大きい。昭和のホームドラマで「嫁の家事にいちゃもんをつける姑」という設定は定番だった。窓のサッシに小さなホコリを見つけては嫌味を言う姑、歯を食いしばってそれに耐える嫁。平成になってもその影を引きずる部分はあるかもしれない。

 料理や洗濯、掃除などは他人に頼むことでもないーー夫だけが給料を稼ぎ、妻は専業主婦をして当たり前の時代なら、それでよかったかもしれない。だが夫並みに外で働く以上は、妻自身が家事に対してもう少し柔軟な考えになってもよいのではないか。

アメリカでは家事代行サービスを使えば税額控除も

 共働き世帯にとって、家事代行の利用は当たり前。海外にはそんな国もある。

 1日の家事時間が日本人の約半分といわれるアメリカでは、家事代行サービスの普及率が50%に達するという。夫婦ともに働く以上は、家事育児に全力投球できなくて当然。だから育児はベビーシッター、家事はハウスキーパーに任せたほうがよいという考えだ。いかにも合理性・効率性を重視するアメリカ人らしい。

 アメリカではベビーシッター・家事代行サービス利用者に対する優遇制度も手厚い。子どもを抱えて働く家庭に対し、一定の税額免除が受けられる。ベビーシッター、ハウスキーパー、保育士、託児所などの費用の20~35%が税額控除される仕組みだ。

 「家事代行先進国」ともいわれるシンガポール。共働き世帯の多いこの国ではメイド文化がはやくから浸透しただけに、「家事はメイドに任せるもの」という意識が強い。昨今はメイド派遣アプリ「Send Helper」が好評のようで、これは利用したいサービスの種類や時間など基本情報を入力するだけでメイドが訪問してくれるという便利なシステム。約束の時間にメイドが訪問し、要望に合わせて家事を手伝ってくれる。料金も1時間あたり1,600~1,800円程度ということだ。

 ドイツでも家事代行サービスは盛んだ。共働きの割合が高く、家事も双方が平等に負担すべきという考えが一般的で、お互いの負担を減らす手段として同サービスが選ばれている。ドイツでは家事代行の利用で税額控除を受けられるメリットもあり、「家事の負担を減らせるうえに、税金が安くなるからお得」と、こちらも合理的かつクールな判断だ。

 これらの国が日本と違うのは、家事に対して割り切った考え方ができるところ。税の優遇措置など制度の整備が進んでいる点も大きな違いといえるだろう。

1 2 3

「家事代行サービスへの「抵抗感」根強く 海外では税額控除など優遇措置も」のページです。などの最新ニュースは現代を思案するWezzy(ウェジー)で。