家事代行サービスへの「抵抗感」根強く 海外では税額控除など優遇措置も

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“脱・家政婦”を狙うバリエーション豊富なサービスの台頭

 家事代行サービスのターゲットは働く女性だけではない。国内事業者は、高齢者世帯や男性の単身世帯も視野にサービスを展開する。ニーズの拡大とともにサービスの種類が増え、なかには利用しやすい価格設定のものもある。家事代行はもはや「一部の富裕層が利用するサービス」ではなくなってきている。

 家事代行サービス業30年の歴史をもち、業界では老舗に位置づけられる清掃サービス大手のダスキン。「家事おてつだいサービス」「マタニティママ応援プラン」「ビギナーママ応援プラン」など種類はバラエティに富み、ニーズや立場に合わせてサービスを選べるのが魅力だ。ダスキンが直接雇用・教育した専門スタッフが、依頼者のライフスタイルに合わせて家事をサポートしてくれる。

 開業以来20年、家事代行専門業として事業展開してきたベアーズは、ハウスクリーニングだけではなく料理代行も手掛ける。味の好みやこだわりも聞き入れ、その家庭に合う料理を提供する。派遣されるのは、自社で教育を受けたスタッフたち。衛生管理のイロハや調理技術に関する研修をみっちり受けた“調理のプロ”のみ、派遣先のキッチンに立つことが許される。

 日経DUALユーザー調査で「家事代行サービス企業ランキング2017」1位になったタスカジは、2014年創業の新しい会社。家事を依頼したい人と請け負いたい人をマッチングさせる「シェアリングエコノミーシステム」を採用して他社との差別化を図る。家事・育児を頼みたい人は、家事代行業者を介することなく、自分好みのハウスキーパーを見つけられる仕組みだ。直接交渉できるから、要望に合わせて細かくカスタマイズできるところが大きい。登録ハウスキーパーは、子育てがひと段落したママや熟練の主婦から、栄養士・調理師の資格ホルダー、または整理収納アドバイザーまで、個性豊かな人材が顔をそろえる。HPにはユーザー目線でサービスを評価するレビューページもあり、利用の目安にも使えそうだ。

 このように昨今の家事代行はサービスの種類も豊富だ。派遣されるスタッフはただのお手伝いさんではなく、高いスキルを備えた家事代行のプロばかりといっていいだろう。

変わりつつある古い価値観

 きめ細かでユーザーに寄り添う視線は、「おもてなし」を得意とする日本企業ならではの強み。サービス環境は整っており、これに国民の意識改革がついてくれば、さらなる利用者増も期待できるのではないか。

 「年老いた親の面倒は子が引き受けて当たり前」という考えが主流だったのは昔の話で、今では高齢者専用住宅や在宅ヘルパーの活用が当たり前になってきた。「死後は先祖代々のお墓に入るもの」という価値観も昔ほど確固たるものではなく、お墓の管理はおろかお墓参りすら代行に任せる人が増えてきた。これらの状況を考えると、「家事は主婦がやって当たり前」という考えも時代の変化とともに薄れ、家事代行サービスが欧米なみに普及しても不思議ではない。

 家事代行業界がさらに活況を呈せば、家事を専門職とする女性も増えるだろうし、それこそ“輝ける場の提供”にもつながるのではないか。税額控除や補助金の検討など政府の取り組みにも注目したい。

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