怪しい「投資話」と「健康法」はよく似ている 自分のお金と健康を他人に「お任せ」してしまう心理

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「Getty Images」より

 ネット上に出ているさまざまなコラムを見ていると、「お金」と「健康」という2つの分野に関する話題はいずれも非常に関心が高く、常に多くの人に読まれていることがわかります。

  これは別にネットに限った話ではなく、書籍でもこの2つのジャンルは根強い人気があるようです。私は投資や資産運用については専門分野ですが、健康についてはまったくの素人です。ところがその素人が読んでも「これは本当かな?」と首をかしげるような記事を見ることがあります。同じように投資でも、首をかしげるような記事はしばしば見受けられます。

お金と健康に関する5つの共通点

 考えてみると、どうも「お金」と「健康」は共通点がたくさんあるようです。

1.どちらもとても大切なものであり、誰もがそれを手に入れようと必死になる

2.本来は手段でありながら、往々にして目的と化す

3.どちらも死んでしまっては役に立たない

4.いずれの分野も専門家らしき人がいて発言しているが、いい加減なものも多い

5.誰もが不安を持っているので、それにつけこむ商売が跡を絶たない

 これらの共通点はいずれもその通りだと思いますが、さらにもう一歩踏み込んで、私が考える最も大きな共通点を2つ挙げたいと思います。まずそのひとつは「どちらも唯一絶対に正しい方法というのはなく、答えは人によって異なる」ということです。

 健康でいえば、どんな健康法もその人の体質や家族からの遺伝によって合う、合わないがあるはずです。お金についていうと、保有資産額やリスク許容度、性格などによって、どういう運用が最適かということは人によって違うのが当たり前です。ところが多くの人は「この方法が一番良い」というシンプルな答えを求めたがります。

 そして2つ目は、どちらも「手っ取り早く成果を出す方法はない」ということです。投資でいえば、短期間で大儲けしようと思うと、それなりに大きなリスクを取らなければなりません。大きなリスクを取るということは大きな損も覚悟するということですから、「これさえやれば確実に手っ取り早く利益を上げられる」という方法などはないのです。健康についても、時間をかけてゆっくりと食習慣を改善したり運動を続けたりすることで健康体が維持できるわけで、こちらも手っ取り早く健康になる方法がそう簡単にあるわけではありません。

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