『闇金ウシジマくん』の完結とともに消える!? ヤミ金業界の裏事情

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 では、『闇金ウシジマくん』が連載を開始した2004年から現在に至るまでの約15年間で、ヤミ金業はどのような変化を遂げてきたのだろうか。

「ヤミ金が世間にはびこり始めた当初は、たとえば東京であれば正式に東京都へ貸金業として登録したうえで、違法な高金利で貸し付けを行う業者が問題になりました。しかし、これはすぐに廃れています。はじめに所在などをすべて登録する必要があるので、違法行為をするとすぐに足が付いてしまうからです。

 そこで、貸金業登録をしないヤミ金に主流が移っていくわけですが、暴利の返済に困った債務者の相談を受けた弁護は、金を借りたとはいえ違法なヤミ金業者に返済する義務はないとして対応することが一般的になっていきます。つまり、弁護士が間に入ることで、ヤミ金側が金を踏み倒されるようになったわけです。

 また、そもそもヤミ金から金を借りるのは、何らかの理由で普通の消費者金融からは借りられない人たちです。つまり、闇金がターゲットにしている層というのは、もともと貸し倒れのリスクが高い“訳アリ”の人。ヤミ金側としても、貸付金の回収が立ち行かなくなっていきました。

 そこでヤミ金業者が、次にどうシフトしていったかというと、元手のいらない“振り込め詐欺”でした。これなら踏み倒される心配もないため、ヤミ金から詐欺に鞍替えした業者は多かったはずです」(猪野氏)

そもそも、ヤミ金の被害は大きな問題ではない

 ヤミ金は、元手がないと利益が生まれない仕組みとなっている。踏み倒されるという大きなリスクを抱えているわけだ。しかしなぜ、再びヤミ金業者の動きが活発になり始めているのだろうか。

「そのことについては私も不思議に感じており、真相まではわかりません。ただ、あくまで予想ではありますが、振り込め詐欺が社会問題化したことで、以前ほど儲けられなくなってきたため裏の業者が多角化していき、振り込め詐欺からヤミ金に舞い戻った手合いも多いのではないかと考えています。

  世間には、とにかく金を借りたいという需要は少なからずあるため、そういった人々にまたつけ込もうとしているのではないか、という印象を受けますね。ですが、現状の取り締まりの厳しさなどを考えれば、全盛期の頃より金を回収することは難しいはずで、本当に儲かっているのかについては疑問もありますね」(猪野氏)

 では、この15年ほどで、ヤミ金の被害者を救済する体制は整ってきたのだろうか。

「救済とは言っても、じつはヤミ金の被害は、はなから大きな問題ではないんですよ。弁護士が間に入れば、違法なヤミ金業者からの督促はすぐに止まりますから。

ですから、もし『ヤミ金から借りてしまった、どうしよう』という方は、すぐに弁護士に相談することをおすすめしますね。自分でなんとか返済しようとして、複数のヤミ金から次から次へと借りてしまう人もいます。金を借りるときの条件として、職場や親、友達の連絡先を握られて、脅しに利用されてしまうというリスクもあります。当然、ヤミ金は違法行為ですので、弁護士や公の機関に相談することで、すぐに終わる問題であることを知っておいてほしいです」(猪野氏)

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