
テイラー・スウィフト公式インスタグラムアカウントより
テイラー・スウィフトは今年の12月13日の誕生日で30歳の節目を迎えるが、それを前にした彼女の言葉は、「女性が年齢を重ねること」に対して、世間の押し付ける“規範”をどんどん壊していくような痛快なものだった。
テイラー・スウィフトは、アメリカ版「ELLE」のインタビューに応え、「30歳になる前に私が学んだ30のこと」というテーマで話しているのだが、そのなかで彼女は、年齢を重ねることについて社会が強要してくる不条理な価値観に対する強い憤りを語っている。
<「年齢を重ねることは私たちに起こる出来事のなかでも最悪のものである」という非常にうるさいメッセージを社会は女性たちに送り続けています。それらのメッセージは、女性たちに対して年を重ねることはいけないことだと言っています。こんなことは到底受け入れられないスタンダードです>(筆者訳、以下すべて同じ)
これに続けてテイラーは、イギリス出身の女優・モデルのジャミーラ・ジャミルの名前を出して言葉を続ける。
ジャミーラ・ジャミルは「#I_Weigh」(私の体重)の流行をつくりだした人物としてよく知られている。彼女はインスタグラムに、<私の体重:美しい人間関係をもっているし、良い友だちもいる。毎日笑って暮らして、仕事を愛してる。堅気で生活してるし、経済的にも自立してる。私は女性の権利を声高に叫ぶ。私は自分自身の二の腕のお肉が大好き。自己嫌悪になりそうなことをメディアに書かれるけど、それでも自分のことが大好き。体重のことなんてくそったれだ>という文章を投稿して大きな話題を呼んだ。
彼女の訴えは多くの女性を突き動かし、様々な人が「#I_Weigh」というハッシュタグを用いてインスタグラムに自分自身について語る投稿をするムーブメントが起きている。
テイラーはこうしたジャミーラ・ジャミルの言葉を高く評価し、このように語っている。
<このテーマに関しては、ジャミーラ・ジャミルの率直な物言いが好きですね。彼女の言葉を読んでいると、永遠の若さを手に入れるというあり得ない目的のために、「女性たちは重力、時間といった自然界のすべてのものに抗うべきだ」という、男性にはまったく求められることのない口うるさいメッセージをくぐりぬけた代弁者の声を聞いたかのような気持ちになります>
綾瀬はるか、長澤まさみが向き合う「30代」
年齢などただの数字でしかないのに、世間はとかく数字に重い意味を押し付けてくる。女性の「30歳」はそれが顕著だ。
普通の会社員でも女性が30代になれば、仕事での出世ではなく結婚出産を促されるなど、生き方に関する無用なプレッシャーを周囲からかけられる。人目にさらされる芸能人という立場であれば、そういった重圧はより過酷だろう。
そのポジションにいる女性が、上記のようなメッセージを発信し、新しい女性の生き方のロールモデルとして生きざまを見せてくれることは、社会を変える大きな力になる。
無論、そういった存在は日本にもいる。
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