
「Getty Images」より
3月12日に毎日新聞で報じられた無罪判決報道が物議を醸している。記事は、福岡地裁久留米支部で準強姦罪に問われていた会社役員の男性(44)に同日言い渡された判決についてのものだった。
それによれば『男性は2017年2月5日、福岡市の飲食店で当時22歳の女性が飲酒で深酔いして抵抗できない状況にある中、性的暴行をした、として起訴された』が、無罪判決が言い渡されたという。
同支部は『「女性はテキーラなどを数回一気飲みさせられ、嘔吐しても眠り込んでおり、抵抗できない状態だった」と認定。そのうえで、女性が目を開けたり、何度か声を出したりしたことなどから、「女性が許容している、と被告が誤信してしまうような状況にあった」と判断』した。また西崎健児裁判長は『女性が拒否できない状態にあったことは認められるが、被告がそのことを認識していたと認められない』と述べたのだという。
この記事を読めば「女性は抗拒不能な状態にあった」ことを同支部は認定しているが「それを被告が認識していたと認められない」と判断し、その理由として「女性が目を開けたり、何度か声を出したりしたことなどから『女性が許容している』と被告が誤診してしまう」といった状況にあったためだ、と解釈できる。そのため、ネット上では相当な反発が起きており「泥酔した女性の財布から金を盗んだら、問答無用で逮捕ですよね。なのに泥酔した女性を強姦しても、抵抗しなかったから同意したと見なすの?」と疑問を呈する声がある。
また小説家の盛田隆二氏による「嘔吐して眠り込んでいても抵抗しなければ同意したと見なす」「詩織さんの準強姦問題でも同じ疑問を抱いたけど、泥酔した女性の財布から金を盗んだら、問答無用で逮捕ですよね。なのに泥酔した女性を強姦しても、抵抗しなかったから同意したと見なすの?」といったツイートが多く拡散されているほか、change.orgでは「裁判官のジェンダー教育及び性犯罪の厳罰化を!」と題した署名活動も始められ、すでに17日朝5時現在で31000人以上の署名が集まっている。
署名活動を始めた佐藤あい氏は「未成年でまだ詳しくもないのですが、これを問題化しなければ何も始まらないと感じました」と同サイトに綴っており、まだ未成年であるがこの判決報道に触れたことで署名活動を開始したようだ。「話題になり報道でも世間でこれを長く大きく話題にし、疑問視し続けなければならないと思います」ともあり、同人なりにこの判決を問題視し、司法を変えたいという思いを抱いたと思われる。ツイッターでは、この判決を下した裁判官の訴追請求を呼びかけるようなツイートも見られた。
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