アマゾン「Amazon Go」は日本のコンビニ24時間労働を改善するヒントになるか?

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数年以内に3,000店舗へ拡大

 Amazon Goは日本のコンビニと異なり、主に食料品を販売している。サンドイッチなどの軽食や飲み物、ヨーグルト、フルーツなどだ。ほかにも品数は少ないが、歯ブラシなどの日用品やお土産的なオリジナルグッズなどを置いている。

 Amazon Goはすでにシアトルに4店舗、シカゴに4店舗、サンフランシスコに2店舗を構え、米国内で計10店舗となった。近日中にサンフランシスコにもう1店舗増える予定だ。Bloombergの記事によれば、Amazonは今後数年間の内に最大で3,000店舗を出店する計画だというからかなり強気の展開だ。(Bloomberg:2018/09/20)

 また、「REUTERS」の記事によれば、米国内の空港にもオープンするのではないかと見られている。(RERTERS:2018/12/7)

完全キャッシュレス化に立ちはだかる壁

 このように、Amazonは意欲的にキャッシュレス販売のAmazon Goを展開する姿勢を見せているが、ここにきて逆風も吹き始めている。

 「BUSINESS INSIDER」の記事によれば、店舗の完全キャッシュレス化の禁止を検討し始めた市や州が出てきたという。(BUSINESS INSIDER:2019/03/09)

 完全なキャッシュレスは、銀行口座を持たない低所得者層を排除してしまい、差別を生むと懸念されている。そのため、たとえばペンシルベニア州のフィラデルフィアやマサチューセッツ州では、店舗が現金払いを拒否することを禁止している。さらに、ニューヨーク市とニュージャージー州も現金での支払い拒否の禁止を検討中だ。この動きが広まれば、完全にキャッシュレス決済となっているAmazon Goは店舗展開ができなくなる。米国においても、完全なキャッシュレス化は困難なことが見えてきた。

Amazon Goは日本のコンビニ改革のヒントになるか

 一方、日本ではコンビニの人手不足や24時間営業による労働環境の悪さが問題になっている。そこで、Amazon Goのようなキャッシュレス店舗がこれらの問題を解決してくれるのではないかと期待されている。

 しかし、どうもそのようにはいかないようだ。というのも、Amazon Goはキャッシュレス店舗ではあるが、無人店舗ではないためだ。

 確かにAmazon Goはレジがないため、レジ要員は不要だ。また、すべての決済がキャッシュレスになっているため、現金を管理する人員も不要だし、オーナーや店長の月締めの労力もかなり軽減される。

 しかし、米国で実際に営業しているAmazon Goには、実は日本のコンビニ以上に人員が投入されている。これは完全なキャッシュレス店舗が広く認知されるまでの過渡期だけかもしれないが、入り口には店舗のシステムを案内するスタッフが待機している。また、商品を倉庫から出して陳列するスタッフは、日本のコンビニ以上にせわしなく働いている。これはキャッシュレスによって商品がさばける速度が増すためだ。

 さらにAmazon Goの特徴として、店舗ごとにサンドイッチやブリトーなどの軽食を調理するスタッフが数人稼働していることが挙げられる。つまり無人店舗ではなく、むしろ人員がより多く必要な店舗なのだ。

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