社会

理不尽強いる校則を教員はどう捉えているか? パンテーン「#この髪どうしてダメですか」

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「Getty Images」より

 ヘアケアブランドのパンテーン(P&G)が今月18日、「#この髪どうしてダメですか」PRキャンペーンを開始した。「髪型校則」についての対話をきっかけに、社会全体で学生の個性の尊重について考えることが狙いだ。

 きっかけは、地毛を黒く染めるよう指導する学校や、地毛証明書の提出を求める学校のニュースだったという。

 パンテーンは今年2月、全国の現役中高生・卒業生・先生の男女合計1000 人(現役中高生 400 人、元中高生 200 人、現役教師 400 人)を対象に、「髪型校則へのホンネ調査」を実施。すると、学生だけでなく、先生にも校則に疑問を感じる人が多いという結果が出た。

 調査では、13 人に 1 人の現・元中高生(以下、学生)が「生まれつき茶色い地毛を、学校から黒染めするよう促された経験がある」と回答しており、学校による“生徒に地毛の黒染めを促す”という行為が一部でまかり通ってしまっている現状がうかがえる。

 では、学校で指導にあたる「先生」が校則に納得しているかといえば、必ずしもそうではないようだ。今回の調査で、先生に髪型校則に対する考えを聞くと、70%の先生が「勤務している学校の髪型校則に疑問を感じている」と回答。また、87%の先生が「時代に合わせて、髪型校則も変わっていくべきだと思う」、93%の先生が「時代に合わせて、校則も変わっていくべきだと思う」と回答している。

 また、「自由な髪型が許されても良い」と思う学生は69%。その一方で、髪型校則がなぜあるのか、先生に理由を聞いたことがあるのかを聞くと、学生回答者のうち実に91%が「理由を先生に聞いたことがない」と回答。学生も先生も髪型校則に疑問を抱いているが、そのことについてホンネで対話する機会はほとんどないようだ。

 この調査結果を受け、学生と先生のみならず、社会全体で「髪型校則へのホンネ」について話し合うきっかけ作りとして、パンテーンが始めたのが「#この髪どうしてダメですか」キャンペーンだ。

 キャンペーンが始まった18日には、「地毛証明書を出す理由を教えてください。」「水泳で髪が茶色くなった子も、黒く染めなきゃいけないんですか?」「くせ毛で困っていても、縮毛矯正はだめですか?」など、学生の“髪型校則へのホンネ”で作られた質問広告が、朝日新聞に掲載された。

 パンテーンによると、生徒から「校則の理由を先生に聞いてみたい。」という声が多く挙がったといい、ほかにも「どうして地毛を黒染めしなきゃいけないの?」「担当の先生で基準が変わるのはなぜですか?」「どうして髪の長い人はポニーテールとか、髪を結ばないといけないの?」「どうして髪色や髪型を学校が決めるの?」「ポニーテールや編み込みはどうしてダメなんですか?」「どうして女子はバリカンを入れてはいけないのですか?」といった質問が寄せられたという。

 今回のパンテーンの広告には、<「ルールだから従う」のではなく、「なぜルールがあるのか」について、生徒も先生も私たちも話し合ってみませんか>ともある。髪型校則に限らず“どうしてこんな校則が必要なのか”は、生徒も先生も、かつて生徒だった大人も、これから生徒になる子どもも、多くの人が抱く疑問であろう。

 3月27日には、『未来の鍵を握る学校 SCHOOL OF LOCK!』(TOKYO FM)にて、「#この髪どうしてダメですか」をテーマに、「学生、先生、視聴者、特別ゲストの“髪型校則へのホンネ”で作るラジオ番組」が放送される。

 パンテーンの「#この髪どうしてダメですか」では、生徒だけでなく教員側の本音も募っている。近年「ブラック校則」がクローズアップされるようになり、旧態依然とした校則を更新することへの社会的関心は高まりつつあるが、これまでは生徒の不満や疑問や不利益の声が中心だった。今回のキャンペーンが、ルールを設ける学校側、教員側の本音を知る機会になることを期待したい。

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