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大学追いコンシーズンに増える“急性アル中患者” 「コール」や「ラッパ飲みの儀式」は命にかかわる

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「Getty Images」より

 3月後半は大学の卒業シーズンであり、サークルやゼミの “追いコン”(追い出しコンパ)も大いに盛り上がるだろう。しかし、なんでもかんでも無礼講ではなく、酒の飲み方には注意が必要だ。酒のイッキ飲みで命を落とす学生もいる。

 昨年12月、近畿大学のテニスサークル所属の男子学生が、飲み会でイッキ飲みをした後、急性アルコール中毒を発症し死亡した事件に関して、死亡した学生の両親は、飲み会に参加していた学生数名に対し「適切な介抱をしなかった」として、保護責任者遺棄致死の疑いで刑事告訴した。

 亡くなった男子学生はビールを飲んだ後、他の学生にあおられてショットグラス20杯分のウォッカをイッキ飲みしたという。そして、急性アルコール中毒を発症し、吐しゃ物が喉に詰まり死亡したとみられている。

 大学サークルでは 酒のイッキ飲みが一般化しており、独自の“コール”やラッパ飲みが“儀式”とされているところもある。しかし、イッキ飲みは命を落とす可能性のある危険な行為であり、「楽しい!」だけでは済まされない。

 一般社団法人・福岡博多トレーニングセンターの理事長で、長年救急医療に携わってきた河野寛幸先生に、急性アルコール中毒の原因や防ぐ方法を伺った。

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河野寛幸・医師
一般社団法人・福岡博多トレーニングセンター(心肺停止・重症不整脈をはじめ救急初期診療の教育事業施設)理事長、日本救急医学会専門医、日本脳神経外科学会専門医。元福岡記念病院救急科部長。「ER型救急システム」の構築を目指して長年救急医療に携わる。主な著書に、『ニッポンER』(海拓舎)、『心肺停止と不整脈』(日経BP)、『ERで役立つ救急症候学』(CBR)などがある。

「ほとんどが無理な飲み方」で運ばれてくる急性アルコール中毒患者

――大学サークルなどでの危険なお酒の飲み方が問題視されているが、実際に学生の急性アルコール中毒の患者さんが病院に運ばれてくることはありますか?

河野 ひところよりは少なくなっている印象です。ただ卒業シーズンや新年度、学園祭の時期などになると、学生の急性アルコール中毒は増えますね。

――急性アルコール中毒の患者さんは、どのようなお酒の飲み方をして運ばれてくることが多いのでしょうか?

河野 ほとんどが無理な飲み方です。最近はイッキ飲みという習慣は少なくなったようですが、先輩から後輩へなど、飲酒の強要や場の雰囲気なども関係しているようです。また、飲めないのに無理をして飲んだ人なども運ばれてきます。

――急性アルコール中毒を起こさないために注意すべき点は何でしょうか?

河野 急性アルコール中毒は短時間内にアルコールを大量摂取することで、血中濃度が急激に上がり生じる中毒症状です。ですから、無理な飲み方をしないことが最大の予防法です。イッキ飲みや競争飲みなどは控えましょう。空腹時も急激にアルコールが吸収されやすくなるため、注意が必要です。アルコールの代謝能力は個人差がありますから、あらかじめ自分の適量を知っておくのもいいことです。

また、急性アルコール中毒だろうと病院に連れてこられた酩酊状態の人の中には、思わぬ病気が隠れていることもあります。大部分の原因は、酔って転倒後の頭部打撲で、外傷性頭蓋内出血による意識障害です。急激に酔いが回った人がいたら、周囲の人は目を離さないよう注意し、異常がある場合は速やかに病院へ運ぶようにしてください。

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