物件所有者から見た「OYO LIFE」のビジネスモデル
ここまで、「OYO LIFE」を借りる側の視点で見てきた。それでは、物件所有者から見るとどのようなビジネスモデルなのだろうか。
実はこちらもかなり画期的で、不動産のオーナーに対して家賃保証を行い、定期的なメンテナンスを行いながら、入居者を集めてくれるサービスとなる。しかも、このサービスは従来の不動産屋が行っていた仲介ではなく、OYOが自社で借り入れて転貸するサブリース方式を採っている。この仕組みこそが、煩雑な契約手続きを省き、スマートフォンだけで契約できる根拠となっている。
不動産屋が仲介業を行う場合は、宅地建物取引業法にのっとった重要事項説明書を対面で説明する必要があり、契約成立時には書面の交付が必要だった。ところが「OYO LIFE」は仲介ではなく、直接入居者に貸し出すため、すべて電子化できたのだ。
ただ、オーナーに家賃保証をしているため、OYO側は物件の空室をできるだけ減らさなければならない。このあたりが、このビジネスモデルが継続できるかどうかの分かれ目になりそうだ。
また、サービスエリアが今のところ東京都23区内に限られていることも、オーナーと利用者の制約になるが、これは順次拡大していくものとみられる。
旅するように暮らす
これだけ手軽に住居を変えることができれば、ライフスタイルやライフステージに合わせて次々と住居を変えることが容易になる。
人によっては、季節によって暮らすところを変えたり、いろいろな町での暮らしを体験してみたいという要望を叶えることも可能だろう。まさに、ホテルを利用するように、手荷物だけ持って住居を変えることができそうだ。
旧態依然の商習慣にあぐらをかいてきた賃貸住宅業界に風穴を空ける「OYO LIFE」。Webサイトには、以下のキャッチコピーが記されている。
“旅するように暮らすことも夢じゃない。”
自由な生活を予感させるコピーである。