イチローとGENKINGとバイトテロの承認欲求は何が違うのか? 

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「自己実現の欲求」を貫き通したゴッホ

 10年間絵を描き続けながら、売れたのは1枚のみ。無名のまま終わったゴッホの人生は、「自己実現の欲求」のためにあったといえる。絵を描くためなら貧乏も我慢できたし、なけなしの金をはたいて大好きな浮世絵を買ったりもできた。

 彼は生涯独身だったが、結婚願望もあったし、仲間を持つ生活にも憧れていた。10年間で約2000点もの絵を描きながら、世間に認められることはなかった。ただ画家として生きたいという欲求が、貧乏と孤独な生涯を支えた。

セックス中毒を克服したガンジー

 インド独立の父と呼ばれるガンジー。さまざまな試練を乗り越え、最終的に祖国を独立させた功績は、まさに彼にしか成し遂げられなかった自己実現の道だった。ガンジーといえば、「非暴力・不服従・菜食主義者」などのイメージが強いが、若い頃は妻とセックス三昧の日々を送るほど、性欲まみれな一面もあった。父が息を引き取るその瞬間も妻とベッドを共にしていたというからあきれるしかない。

 が、この体験をきっかけにガンジーは性欲を封印し、禁欲主義者へ転向。平穏な生活もかなぐり捨て、独立運動に邁進していく。

超越的な自己実現を目指すイチロー

 世の中にはイチロー選手のようにどんなに偉大な成績を収めても満足しきれず、常に挑戦を続ける人はいるものだ。

 「これからは草野球を極める」「今後もゆっくりするつもりはない」「明日も練習します」。これが引退する選手の言葉だろうか。

 孤高の天才打者が目指す先は、超越的な自己実現欲求を満たすもののみ勝ち得る「至高体験」だろうか。いやひょっとすると、いまだに自己実現さえ成し遂げていないという思いがイチロー選手のなかにあるのかもしれない。

 「50歳まで現役」にこだわり続けたイチロー選手も、結果を残せず引退を決断。それでも45歳まで意欲を失わなかったのは、「もっと進化したい」「もっと野球を極めたい」という欲求があったからだろう。彼にとって記録の達成は、ひとつの通過点に過ぎない。

 「成功すると思うからやってみたいという判断基準では、後悔を生むだろうなと思います。できると思うから挑戦するのではなく、やりたいと思えば挑戦すればいい」。

 挑戦し続けたいという欲求が無限にあったから、イチロー選手は現役でのプレーにこだわったといえる。

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