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「おじさん」「おばさん」は何歳から?という問いに見る年齢のダブルスタンダード

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『「オバサン」はなぜ嫌われるか』(集英社新書)

 3月16日を「ミドルの日」と名づけた大手化粧品会社「マンダム」が、この日に合わせて「ルシード 40代ミドル男性白書 2019」と題したアンケート結果を発表した。調査対象は20~69歳男性と20~49歳女性の計約1600人。

 この中に、「『おじさん』と聞いて何才から何才までを想像するか」という質問があり、下限の平均が「44.3歳」、上限の平均が「62.8歳」という結果が示されている。

 「おじさん」そして「おばさん」は何歳以上か?といった問いの答え、つまり「おじさん」「おばさん」と呼ばれる年齢は、時代とともに高くなる傾向がある。平均寿命が延び、見た目年齢も若返っているので当然だろう。

 今から約80年前は、男性の「44歳」と言えば「平均寿命」だった(1935年の平均寿命は男性が「44.8歳」、女性「46.5歳」)。あくまで平均寿命なので、80代、90代まで長生きする人も大勢いたわけだが、当時の40代のイメージは現在とかなり差があったに違いない。

 人生の折り返し地点あたりに過ぎない現在の40歳が、「不惑」の境地に至れないのも致し方ない。

 時期を最近に絞って見ても、「おじさん」と呼ばれる年齢は上昇している。

 例えば、『おかあさんといっしょ』(Eテレ)で1993年から2005年までの12年間「たいそうのおにいさん」を務め、「ひろみちおにいさん」と呼ばれていた佐藤弘道(1968年生まれ)は、同番組を「卒業」したとき36歳だったのだが、それ以前から「もう『おにいさん』と呼べる年ではない」といった声が上っていた――「ひろみちおにいさん」というのは、それ自体が固有名詞なのだから、そういう突っ込みは見当違いだと感じていたが――。

 一方、佐藤弘道のあと、2005年に「たいそうのおにいさん」となり、今月「卒業」する小林よしひさ(1981年生まれ)は現在37歳だが、「もう『おにいさん』ではない」などという声は聞こえてこない。

 このことだけを以って、日本の社会で「おじさん」年齢が上昇しているというのは乱暴だ。しかし、少なくとも男性に対しては急速に、「おにいさん」か「おじさん」かといったどうでもいい線引きに象徴されるような社会の中での「年齢に対するこだわり」がなくなってきているように思う。

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