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精神科を受診したら、医師がスピっていた…診察時間中、患者に延々とトンデモ思想を聞かせる

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SpiYakou122

「Getty Images」より

 診療時間をめいっぱい使い、ひたすらスピトーク。もちろんそれを聞かされる側は、一切興味なし。しかも〈病院〉ですから、具合が悪いなかで足を運んでいるわけでありまして……。想像するに、控えめに言っても、地・獄! 私も過去に、病院で塩対応されたり小馬鹿にするような扱いを受けたりした経験はありますが、想像するだに、苦痛の度合いは比べ物にならないでしょう。当連載では度々「トンデモ」としか表現しようのない医師の存在をご報告していますが、今回はそういった医師に〈リアルで遭遇〉してしまった女性の体験談をお届けしていきます。

 お話してくれたのは、地方在住のアラサー女性H美さん。精神疾患を患い働くことができないため、現在は生活保護を受けながら通院する生活を送っています。彼女がトンデモ医に遭遇したのは通院生活の中、主治医の勧めと自らの希望もあり「トラウマの治療(EMDR)」を受けるため、そこそこ著名な某精神科医(以下K医師)のクリニックへ転院しての出来事です。そもそもH美さんの住む地域ではトラウマ治療を行えるのがその医師しかいないという状況があり、他に選択肢がありません。

トンデモ界の住人がぞろぞろと

H美さん(以下H美)「前の主治医にも『トラウマ治療をしない限り、症状は改善しない』と言われましたし、自覚もあったので転院は納得済みのことです。ところがK先生の診療内容が、まさかのトンデモ祭りで。初回からこちらの話は一切聞いてもらえず、まず手渡されるのが『子どもは親を選んで生まれてきた論』や、『女性性がいかに幸せになる鍵か』を説くようなスピ本のコピーなんです。

前の主治医からの紹介状に、私の家庭環境は劣悪で、親から虐待を受けていたと記載されているはずなんですが……。本のコピーを見て、えええ~とのけぞりましたね。でも私の通える範囲でトラウマ治療が受けられるのがそのクリニックだけだったので、とりあえず我慢して先生の話を聞いていました。それ以前に、患者側が口をはさむ余地もない勢いですし」

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 その後の診察時間では、スピ有名人として広く知られる心屋仁之助氏(過去記事ご参照)やhappy氏(過去記事ご参照)の書籍も登場(怪しさ極まりない彼らのどのへんに精神科医として感銘を受けたのか、取材したくなるトンデモ濃度ですなあ……)。コピーを渡すほかは、「病気の原因は親離れ出来てないから」と、問答無用で決めつけるような説明が続いたと言います。

 ちなみのその精神科医K氏とは、著書も多数あり、メディアで注目された過去もある人物。著書を読むと、スピがお好きそうな気配はありましたが、まさかここまでトンデモ沼に陥っていたとは……。

H美「私はとにかくお金がないので、保険診療の範疇でなんとかしてもらいたいのが本音です。そうなると、診療時間はだいたい15分。その限られた短い時間を、スピトークに消費されるのは、本当に苦痛です。『他人は自分を映す鏡』という話だけされて終わるとか、アリなんでしょうか? 私は生活保護で医療費の負担がないため、このスピトークに税金が無駄に使われている……という怒りも沸いていきます。15分以降は、自由診療の範疇で高額になります。そこでじっくり話を聞いてもらう経済的余裕があれば、初めから都心へ遠征して他の病院へ通えるんです。そのへんの事情も、K先生は分かっているのかわかっていないのか……という感じで」

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