
「Getty Images」より
アレルギーがショック死を招いた最古の記録がある。紀元前2641年頃、エジプト第1王朝の始祖メネス王がアシナガバチもしくはスズメバチに刺されて急死した。その墓碑銘に象形文字で刻まれた死因は、昆虫毒によるアナフィラキシー(全身性のアレルギー反応)だった。
アレルギーは、特定の抗原(アレルゲン)に対するIgE(免疫グロブリン)抗体の過剰な免疫反応だ。アレルギー(allergy)の語源はギリシャ語の「allos(変わった)ergo(免疫反応)」。アナフィキラシー(anaphylaxis)は「ana(無)phylaxis(防御)」に由来する。
現代人は、食物、薬剤、細菌、ダニ、カビ、ハウスダストなどの抗原(アレルゲン)と闘いつつ、花粉症(アレルギー性鼻炎)、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性結膜炎に苦しんでいる。
しかし、苦悶しているのはヒトだけではない。犬も花粉症(アレルギー性皮膚炎、鼻炎)と闘っているのだ。
飼い主も気づきにくい愛犬の花粉症
「うちの犬は、春先になるとクシャミをしたり、耳をかゆがったりする。これは花粉症?」と気づいている飼い主はどれほどいるのだろうか?
「ペットの花粉症に関する調査」(アイペット損保ニュースリリース2018年02月28)では、20代以上の犬猫の飼い主719人に、花粉症に対する意識調査を行っている。
「ペットにも花粉症があることを知っているか」の質問に対し、「はい」と答えた人は犬飼育者55.5%、猫飼育者43.8%、全体では50.6%であった。また、犬飼育者かつ自身に花粉症がある場合78.8%、猫飼育者かつ自身に花粉症がある場合は70.7%と高くなる。
飼育者自身が花粉症にかかっている人ほど、花粉症に敏感なのは当然だが、ペットの異変に気付いていない飼い主がほぼ半数となっているのには驚かされる。
こうしたアンケートにあえて答えている人を母数としての数字であれば、実態はさらに低いのではなかろうか。