子供の花粉症デビューは4~6歳が最多 花粉症の根治療法「アレルゲン免疫療法」とは

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世界初のアレルゲン免疫療法からすでに100年以上が経過

 世界初のアレルゲン免疫療法は1910年、「Lancet」に発表されたものであり、すでに100有余年が経過している。最初の治療法は抗原を抽出した治療用ワクチンを皮下注射したが、疼痛やアナフィラキシーなどの副作用が頻発。より安全な治療法の確立が急がれた。

 1986年、ダニを原因とする通年性アレルギー性鼻炎患者を対象とする世界初の舌下免疫療法の二重盲検試験がスタート。まず、1993年にEAACI(欧州アレルギー臨床免疫学会議)が免疫療法の有望な投与法と認定した。

 1998年にWHO(世界保健機関)が舌下免疫療法は、皮下投与の代替治療であり、3~5年の使用経験によってアレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、気管支喘息の根治療法になると認定。続いて、2001年にWHOは「ARIA」(アレルギー性鼻炎と喘息への影響)のガイドラインを承認し、成人および小児における有効性と安全性の高いエビデンスを評価している。今や舌下免疫療法は、世界約20カ国で承認されている。

 一方、日本のスギ花粉エキスの皮下投与によるスギ花粉症に対する免疫療法は、2000年にスタート。ただ、注射のための通院が必要で、かつ痛みやアナフィラキシーなどの副作用のリスクを伴うため、やがて下火になっていった感がある。

 スギ花粉エキスによる舌下免疫療法は、2000年頃から厚生労働省の支援を受けた医師主導でスタート。2005年に千葉大学の第1/2相臨床試験(ランダム化プラセボ対照二重盲検試験)によって有意な改善効果が認められた。2010年から製薬企業の第2/3相臨床試験に引継がれた後、2014年に保険適用となり、一気に普及が加速している。

 坂下雅文教授 (福井大学医学部医学科感覚運動医学講座耳鼻咽喉科・頭頸部外科学)らが行った「スギ特異的舌下免疫療法」の臨床研究がある。

 舌下免疫療法を3年以上継続すれば、1〜2年よりも有意に治療の改善効果が高まり、ハウスダストによる通年性鼻炎に対する舌下免疫療法は、抗ヒスタミン薬や点鼻ステロイドよりも高い有効性がある事実が判明している。

 この研究成果は、冒頭の研究が示している「花粉症の免疫療法は少なくとも3年はかかる」という臨床知見と一致している。

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