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遅刻した時にどう謝るのが正解か? 相手の「怒り」を「理解」に変える謝罪力

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相手の「怒り」を「理解」に変える方法

 使える「謝罪」とは、言い訳などをせず、シンプルに直接謝ることだ。前提として、相手の「怒り(イカリ)」を「理解(リカイ)」という逆のものに変えるための行為であることを覚えておいてほしい。

 言うまでもなく、「遅刻」という、すでに発生してしまった事実については、もう変更したり戻すことはできない。それと正直に向かい合い、反省と謝辞を述べなければならない。この心の動きがしっかり相手に伝われば、「理解」に変わり「応援」にも変化するものなのである。事情はどうあれ、相手は遅刻という取り返しのつかない事実に対し、「怒り」「不満」などネガティブな感情を抱いているわけで、それを「理解」に変えるために持つべきものが「謝罪力」だといえる。

 もちろん理由もあるわけで、説明や言い訳もしたいところだが、社会はそんな事情に合わせてくれるほど甘いものではない。もちろん、相手をおもんぱかる力もあり、朝寝坊と電車の遅延は違うという理解をしてくれる先輩や上司もいるとは思うが、すべてがそうとは言い難い。

 重要な会議で、それもプレゼンの担当だったりしたらどうだろうか? 間違いなく「遅れてすみませんでした」という「非を認める謝罪」から始まり、スタートさせるだろう。ここで「目覚まし時計の電池が切れていまして」が通るわけがない。「JRが朝から架線点検で延着しまして」などのセリフも周りは聞きたくないのだ。ここは素直に「非を認める」ことだ。そうすれば自然と「謝辞」を述べることができる。

 そういう精神力が「謝罪力」とも呼べる。「謝罪力」は、謝る側だけが持つ力ではない。謝られる側も相手の言葉や態度を確認して、謝辞を許容するという「謝罪力」が必要だともいえる。

朝寝坊したら、あなたならどうやって謝罪する?

 たとえば朝寝坊をしたとしよう。みなさんはどのように「謝罪」するだろうか?

 先輩や上司に「どうなっているんだ!」と聞かれて、「昨夜、本を読んでて寝たのが遅くって、起きられませんでした」「昨夜、同期と飲みに行ってて、少し酔っていたので目覚ましの時間をセットをするのを忘れました」などは必要な事情説明になるといえるだろうか? 

 先輩も「そら、読書してたら寝坊するわな」「たまには目覚ましも鳴らへんわな」と許してくれるならそれもいいだろう。「昨晩、おふくろが緊急入院したのに付き添っていて、朝、会社に間に合いませんでした」と、これが嘘ではなく事実なら許されることだろう。

 実はここで重要なことは説明や言い訳などではなく、問題に気づき、反省し、謝辞を述べ、ここで重要な再発防止策もセットで述べることである。

 もし私があなたの上司で、あなたが「寝坊してすみませんでした。次から気をつけます」とだけ言い訳もせず、嘘もつかず謝ったとしよう。しかし、私はこれでは許さないのだ。ここには具体的な再発防止策がないからだ。残念なら「頑張ります」「一所懸命やります」では許してもらえないのだ。屁理屈でもなく、その言葉には「力」がないのだ。だから、再発防止策を具体的に述べねばならない。

謝罪力とは具体的な対応策である

 たとえば私なら、目覚まし時計が鳴らなかったとか、聞こえなくって起きられなかったとして、「今日、会社の帰りにドン・キホーテに行って目覚まし時計を3個買って帰り、自宅の玄関、台所、トイレにも設置して対処します」などと具体的なことを言うだろう。これこそが「謝罪力」といえる。

 工場が爆発したとしよう。近隣住民の2000人が避難したとしよう。その会社の発表が「すみませんでした。以後気をつけます」で済むだろうか? レストランで生肉食中毒事件が発生してお客さんが入院した時、「明日からがんばります!」で許されるだろうか、このどちらにも具体的な対応策があるはずだから、そこを伝えねばならない。工場なら「普段の点検人数や時間を増やし、徹底的に爆発などの事故を防ぎます。また、もしもの場合も想定し、自動消火装置の設備を増強します」などと言えるだろう。

 レストランなら、生肉を扱う人間の管理から、冷蔵庫から出してからお客さんに届くまでの調理時間の見直しもあるだろう。食器やトングなどの煮沸消毒を増やすこともできるだろう。気温や室温に合わせて生肉の扱いを制限することも可能だろう。商業主義に走るだけでなく、安全を担保することによって社会性や信頼度・安心度が増し、企業イメージもアップするというものだ。

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