社会

コンビニは、なぜ“24時間営業”をやめられないのか? セブンイレブン時短実験もマイナス必至

【この記事のキーワード】
コンビニは、なぜ24時間営業をやめられないのか? セブンイレブン時短実験もマイナス必至の画像1

「Getty Images」より

 コンビニ業界の最大手であるセブン-イレブン・ジャパン(以下、セブンイレブン)は、24時間営業の見直しに向けた第一歩となる実証実験を、3月21日から22日にかけて全国の直営店10店舗で行った。

 今回の実験では、午前5時~翌午前1時、午前6時~翌午前0時、午前7時~午後11時という3パターンの営業時間を設定して、収益への影響などを検証。営業時間を短縮した際の課題や、問題点を洗い出したという。

 セブンイレブンは今年2月、人手不足を理由にオーナーの判断で深夜営業をやめた東大阪市の加盟店に対して、違約金として1700万円を請求したトラブルをきっかけに批判が殺到。深夜早朝の閉店を求めるFC(フランチャイズ)店オーナーの声も強まり、セブンイレブンに対して「24時間営業を見直すべき」という世論が高まっていた。

 消費者にとっては、コンビニが24時間開いてくれていた方が便利であることは間違いない。しかし、各業界で人手不足が社会問題となっているなかで、来店客数も少なく効率が悪い深夜営業を無理に強いるくらいであれば、24時間営業の看板を降ろすことに理解を示す意見も多いだろう。

 セブンイレブンは、世論を受けて実証実験に踏み切り、全国およそ2万店のおよそ9割を占めるFC店でも時短営業を導入するか検討するという。1971年から24時間営業を続けてきたセブンイレブンにとって、大きな転換点となりそうだ。

コンビニ各社は、24時間営業をやめることができるのだろうか。果たしてこの先、24時間営業という営業形態は持続可能なのだろうか。企業経営に詳しい経済ジャーナリスト・松崎隆司氏に、コンビニの24時間営業問題について話を聞いた。

24時間営業をやめると、営業利益が約1割減になる可能性も……

 今回、セブンイレブンが実証実験を始めた背景には、やはり「人手不足」という根本的な問題がある。

「これはコンビニ業界に限った話ではなくて、外食業界や建設業界など、すべての業界に言えることですが、人口減少や少子化といった問題によって、人手不足は避けられない問題となっているのです。

 コンビニの場合も、海外からの留学生や定年を迎えた高齢者などを、働き手としてどんどん取り入れているわけですが、それでも全然追いついていない。圧倒的に人手が足らないというのが現状です。賃金を上げてもいるのですが、それでもアルバイトを集めるのは難しい。もちろん人件費高騰も店にとっては大きな負担となっており、このような構造的な問題が露呈している状況なのです」(松崎氏)

 人手不足という現実を前にしても、コンビニ各社が24時間営業を続けているのは、収益的な損害が大きいからだという。

「現在、セブンイレブンの平均日販(店舗の1日売上高)は約66万円なのですが、業界筋に聞いたところでは、“66万円のうち5万円前後が夜間の収入”ということです。全国に20,876店舗(2019年2月末現在)を持つセブンイレブン側としては、決して無視できない金額でしょう。

 実は10年前にも、ローソンが時短営業の実証実験を行ったこともあったのですが、夜の営業をやめたことで、昼も含めて収入にかなりマイナスのインパクトが出たという調査結果を発表しています。また、日本経済新聞が、複数の証券アナリストに依頼して行った試算によれば、もしセブン&アイ・ホールディングスのコンビニ全店が24時間営業をやめた場合、同社の連結営業利益に最大で約1割のマイナスが出るというデータも出ています。

 ですから、コンビニ各社は24時間営業を是が非でも続けていきたいと思っているはず。しかし、それでは営業が立ち行かなくなってきたなかで、セブンイレブンは、営業時間を短縮する実験によって実際にどれほどのマイナスが出るのかを確認しているのではないでしょうか」(松崎氏)

1 2 3

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。