就活ビジネスに“利用されない”就活のススメ

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「手当たり次第の企業にエントリーさせるようでは、学生に適した企業を“マッチング”するという、ナビサイトの本来の目的は失われています。そもそも、何十万人もの学生をいっせいに就職させるなんて、かなり杜撰なシステムであることは明らかですよね」(新井氏)

 一方で、ナビサイトにはメリットもあるだろう。現在、売り手市場であることを鑑みても、ナビサイトに登録して穏当に就活を進めれば、いずれかの企業に内定をもらえる可能性は高い。

「学生にはナビサイトのベルトコンベアに乗って就活をすることで、とりあえず就を手にすることはできるかも知れません。これは一見すればメリットのようにも見えますが、逆に言えば学生の主体性の形成を奪っているということでもあるでしょう。エントリー至上主義であるナビサイトの“就職脅迫”によって、結果として学生と内定企業のミスマッチが起こり、新卒の離職率の増加にもつながってしまっているのです」(新井氏)

 人材サービス大手の株式会社アデコが2018年に行った調査によれば、ここ30年間、新卒で就職した社会人の約3割が3年以内に退職しているという。退職理由も「自身の希望と業務内容のミスマッチ」と答えた割合は、約40%にものぼる。

 転職が当たり前の社会になりつつあるが、新卒の離職率が異常に高いことは問題だろう。ナビサイトの営利主義による杜撰なマッチングが、学生の、ひいては日本の労働市場に深刻な影響を与えているということだ。

就活ルール撤廃で、ナビサイトはどう変わる?

 現在、就活は大きな転換期に面している。経団連は2018年10月、「就活ルール」の廃止を発表した。21年4月入社以降、経団連は 新卒説明会や面接解禁日などルール策定に関わらない。混乱を避けるため、2022年春に入社(現大学1年生)までは現行の日程を維持するとしているが、今後、日本の就活の在り方が大きく変わっていくことは間違いないだろう。

 通年採用が主流となっていけば、現行のナビサイトのシステムは崩壊するのではないだろうか。

「通年採用によって、これからはインターンシップの重要性がより高まってくると考えられます。ナビサイトもこれまでの管理システムを大きく変更することを余儀なくされますが、インターン制度にも介入してくることは必至です。今後も、ナビサイトが学生や企業、大学に対して就活のイニチアシブを握っていく可能性は高いでしょう」(新井氏)

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