母体はボロボロで赤ちゃんは低体重児として生まれてくる。多胎育児がいかに困難か、まずは知ってほしい

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 母体負担が大きい多胎児の出産、過酷な多胎育児。しかし「一般にはあまり知られていない」と糸井川氏はいう。

糸井川氏「当事者もその立場になって初めて知るということは非常に問題だと思います。『困った』と思った時にはもう遅いからです。出産後は忙しすぎて助けてという声を上げることさえできなくなります。ですから、妊娠中に行政や関係機関が関わって多胎家庭の支援体制を整えておくこと、支援計画を立てておくことが望まれます」

 多胎育児における行政サポートは全国的には不足しているという。

糸井川氏「先進的な取り組みとして、平成29年度に『一般社団法人日本多胎支援協会』が厚生労働省の研究委託を受け調査したところ、ぎふ多胎ネットをはじめ、一部の団体サポートや行政サービスはありますが、全国的に見ると多胎家庭に特化したサービスは、ほとんどない状態です。

 地域の支援体制としては、保健師、助産師、子育て支援関係職員はもちろん、母子保健推進員、主任児童委員、子育て支援員、子育て支援団体、多胎支援団体など、官民のソーシャルキャピタルを総動員し、それらの人々が連携して子育て家庭を温かく見守り支える仕組みを作ることです。また、支援の時期も何重にもして、妊娠中から出産、子育て期を通して切れ目のない支援の仕組みを作ることです」

 糸井川氏が理事長を務めるNPO法人ぎふ多胎ネットでは、行政や医療や子育て支援機関、研究者と連携しながら、妊娠期から出産、育児期を通して多胎家庭に対して以下のような「切れ目のない支援」を行っている。また、多胎に関する情報を発信し、当事者に役立つ情報はもちろん、全国的な多胎支援の情報も収集している。

 以下の取り組みを参考にしてほしい。

・多胎プレパパママ教室……多胎妊婦家族を対象として、多胎妊娠・出産 に関する知識講座と、多胎育児経験者家族との交流会を開催

・病院サポート訪問……多胎妊産婦を対象として病院に定期的にサポーターを派遣し、相談活動をする

・家庭訪問……妊娠期から育児期の多胎家庭を対象として家庭に訪問し、相談活動をするもの

・多胎児健診サポート……市町村の4 カ月健診、10か月健診などにサポーターを派遣し、介助や相談活動をする

・多胎育児教室……県内各地に出向き、おおむね0歳~3歳の多胎児を持つ親を対象に育児教室を開催

・多胎のつどい訪問……行政主催の多胎のつどいなどにサポーターを派遣し、相談活動をする

・多胎イベント……多胎家庭を対象としたイベントの開催

・多胎に関する研究の開催……当事者、子育て支援者、保健師など専門職やさまざまな立場の人に向けた研修会の開催

・多胎支援に関する講師の派遣……様々な集まりに、依頼に見合った多胎支援に関する講師を派遣

▼NPO法人ぎふ多胎ネット

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