「吉野家」は沈み行く船か 「すき家」「松屋」牛丼御三家の業界見取り図

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 気になるのは、ついぞ名前の出なかった「吉野家」だ。果たして、その未来は……。

「『吉野家』は、さまざまな実験店舗やセルフ型店舗を作ったり、新しい定食メニューの展開を図ったりしていますが、どれも一般の消費者に浸透しておらず、中途半端という印象を受けています。また、客単価アップのために取っている戦略も、どうも客目線ではなく、自社の都合を優先しているように見えるのです。

 今年4月には、「吉野家80円引き!定期券」やクーポンなどで割引を乱発し、客足を向かせる作戦も取っていますが、前述のソフトバンクコラボで、一気にファンを遠のかせたことを忘れてしまったのでしょうか。このところ、決済手段の多様化にも踏み出しましたが、いまだに対面販売と接客へのこだわりを捨てきれず、利便性という面で他社に後れをとってしまっています。

 こういった背景から、『吉野家』は牛丼業界の覇権争いにおいては“超大穴”です。今までの成功事例を、すべて捨てるほどの企業改革をしない限り、沈みゆく船となってしまうでしょう」(重盛氏)

 それぞれに特色のある“牛丼御三家”は、取っている事業戦略にも大きな違いがあるようだ。快進撃を続ける「すき家」と、堅実に客層を広げている「松屋」はいいとして、心配なのが「吉野家」である。 牛丼業界が“御三家”から“二大巨頭”に看板を立て替える日は、そう遠くないのかも知れない。

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重盛 高雄 フードアナリスト
ファストフード、外食産業に精通したフードアナリスト。ニュース番組、雑誌などに多数出演。2017年には「The Economist」誌(英国)から、日本のファストフード業界についてのインタビューを受けるなど、活躍の場を世界に広げている。
HP http://foodanalyst-pro.com/profile/profile.php?name=shigemoritakao00017

(文・取材=後藤拓也[A4studio])

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