政治・社会

銭湯絵師・勝海麻衣だけが悪いのか? 盗作問題で見えた銭湯絵業界のおかしさ

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 しかしこの騒動、盗作炎上よりも、日本に3人しかいない銭湯絵師という職業とその周辺の権威主義ぶりが目についた。まず丸山氏サイドは「冗談で『弟子になったら?』と湯島氏に言ったことはあるがSNSに書かれて迷惑している」と釈明しているが、徒弟制であるならば冗談でも『弟子になったら?』などと言ってはならないはずだ。師匠となるべき立場の者として軽々し過ぎやしないだろうか。その業界で師匠から技術を学びたいと切望している若者に『弟子になったら?』という言葉をかけるとして、若者のほうはその言葉が『冗談か本気か』区別がつくだろうか。

 4月4日現在までの事態の推移を見守ってきたなかで、もっとも気になるのは、ここである。その技術と文化の継承のハードルを、徒弟制という制度を未だ採用しながら、異様に高めに設定しているのに対し、その技術を伝える側の人間が冗談として『弟子になったら?』と発言することがまかり通っている。そこには軽薄さと横暴が見え隠れしている。

 そもそも、湯島氏と勝海氏、二人同時に丸山氏の弟子になってはいけないのだろうか。師匠1人につき弟子は1名のみ? それとも本当に“若い美人キャラが被るから”NGなのか? 銭湯業界を盛り上げたいのなら、若い女の美人絵師が二人いたっていいだろう(それもセクシズムとルッキズムにまみれた価値観だが)。

 なんなら、師匠につかなければ銭湯絵師にはなれないのだろうか。そして銭湯絵師しか銭湯に絵を描いたらいけないのか。もう描きたい人が描けばいいじゃないか……そう思うくらい、銭湯業界の権威とやらがバカバカしい。

 日本の銭湯の数が減っている現在、3人の銭湯絵師でもそれを生業としていくことは、そうたやすいことではないのかもしれない。時代の移り変わりとともに消えゆく文化はいくつもある。この文化を大切に残したいのなら、バカな争いごとはやめたほうがいい。

(鼻咲ゆうみ)

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