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差別とは何か。結合双生児の姉妹を描いた傑作ミュージカル「サイド・ショウ」

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「Getty Images」より

 劇場へ足を運んだ観客と演じ手だけが共有することができる、その場限りのエンタテインメント、舞台。まったく同じものは二度とはないからこそ、ときに舞台では、ドラマや映画などの映像では踏み込めない大胆できわどい表現が可能です。

 2018年に大ヒットしたミュージカル映画といえば「グレイテスト・ショーマン」です。ヒゲの生えた女性レティ・ルッツ役を演じ、メーンソング「This Is Me」を歌った女優キアラ・セトルは日本でも大きな人気となり、今年になってもテレビ番組やプロ野球の始球式に登場するなど、ヒットの余韻が続いています。サーカス団の一員の結合双生児役で、日本人ダンサーが出演していたことも話題になりました。

見世物小屋で生きるフリークたち

 ブロードウェイミュージカル「サイド・ショウ」は、「グレイテスト・ショーマン」と同じく、見世物小屋を舞台にした作品です。主人公は、実在した結合双生児のヒルトン姉妹。「グレイテスト・ショーマン」と同じく圧倒的な音楽性と、ひとの心や人生の皮肉を描いた物語で好評を博しながらも、題材のインパクトの強さから一度は短命に終わりました。しかし観客の根強い支持から、ブロードウェイの外での上演が相次いだ異色作です。

 舞台は、1920年代のアメリカ。結合双生児のヴァイオレットとデイジーのヒルトン姉妹は、興行主でもあるボスの率いる見世物小屋でフリークショーに出演して生活しています。プロデューサーのテリーとミュージシャンのバディは、美貌と美声に恵まれたふたりにスター性を見出し、彼女たちをスカウト。ショービジネスの世界にデビューしたふたりはブロードウェイでも活躍するようになり、ヴァイオレットはバディと、そしてデイジーはテリーとそれぞれ恋に落ちます。その様子を、見世物小屋からずっとふたりを支えてきた黒人のジェイクは、複雑な気持ちで見守っていました。やがて、ヴァイオレットとバディが結婚することになり、世間の注目を集めます。

母親として、アーティストとしてのビヨンセとアデル グラミー賞での多様な政治的メッセージ

 2月13日にロスアンジェルスにて開催された第59回グラミー賞。前週のスーパーボウル(レディ・ガガと自由の女神〜ニューヨークとトランプの闘い)に続き…

ウェジー 2017.02.16

「サイド・ショウ」は1997年にニューヨークで初演。作曲は、ビヨンセの主演で映画化もされたミュージカル「ドリームガールズ」を手掛けたヘンリー・クリーガーで、翌年のトニー賞ではオリジナル楽曲賞など4部門にノミネートされました。たった91回の上演でクローズしてしまいましたがカルト的な人気を集め、以降はアメリカ各地で頻繁に上演されています。日本では2010年に初演され、11年に再演されています。

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