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最強の「老後のお金の作り方」のはずが…確定拠出年金、思わぬ落とし穴

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生き延びるためのマネー/川部紀子

 ファイナンシャルプランナーで社会保険労務士の川部紀子です。

 公的年金への不信感や不安の声を耳にすることが増え、同時に、お金を貯める目的として「老後」を挙げる人も増えています。筆者が考える最強の「老後のお金の作り方」は「確定拠出年金」です。会社で「企業型確定拠出年金」導入している場合は、積極的に取り組むこと。そして、企業型の対象でない場合、課税所得がある方は「iDeCo」(個人型確定拠出年金)に加入すること。これが大原則と考えています。

 しかし最近、企業型を導入している企業にお勤めであるにも関わらず、非常に残念な思いをしている相談者に遭遇したのです……。

選択制の企業型確定拠出年金を導入しているが…

 今回の相談者は、選択制退職金の制度を設けている会社に転職された方です。選択肢には、退職金の前払いという形で毎月の給与で受け取るか、確定拠出年金に回して老後に備えるかの2択がありました。

 目先は食べていける給料ですし、老後が少し心配という思いもあったそうです。さらに前払いを選んだ場合、そのお金は給与と見なされるので税金や社会保険料の対象となってしまいます。一方、確定拠出年金を選べば、その金額はまるまる積み立てに回すことができます。ここまでで考えれば、確定拠出年金を選ばない理由はありません。当然、その方も確定拠出年金を選択しました。

ところが、会社が払ってくれる確定拠出年金の掛金はわずか月3,000円ほどだったのです。しかも老後のためにもう少し掛金を増やしたくても、この会社は、個人のお金を上乗せする「マッチング拠出」を導入していないことが判明。マッチング拠出ができるようになったとしても、法律上、上乗せできるのは会社の掛金額までというルールがあるので、月3,000円ほどしか上乗せできません。また、勤続年数や社内での等級や役職などにより掛金がどんどん上がっていくかと思いきや、ほとんど上がっていかない仕組みだったのです。

 他の退職給付制度もさほど充実しているわけではないので、相談者は老後用に何か考えなくてはと思って調べ始めました。

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