テレビはどうすれば「テレビらしさ」の呪縛を解けるか/小島慶子インタビュー

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――2017年に性暴力を訴えた伊藤詩織さんのケースでは、被害者のはずなのになぜか彼女にバッシングが集中する流れになっていましたよね。

小島 そういう状況だけに、「ハラスメントなんてうるさいこと言わないで受け流した方が穏便なんじゃないか」となってしまいがちなところを、「お互いが嫌な思いをしない世の中にした方がいいんじゃない?」と言ったアナウンサーたちの勇気はすごい。

そういった勇気ある意見に対して「そうだよね!」と支えてあげるのは大事なことです。それで周囲の人も「自分もおかしいことはおかしいと言って大丈夫だな」と思えるし、その積み重ねで人の考え方は変わるので。

報道番組が変わる一方、バラエティ番組は……

――それが「テレビ」という多くの人が見る場で展開されれば効果も絶大だと思うのですが、報道はともかくとして、バラエティ番組では相変わらずの状態が続いてしまっています。

小島 バラエティ番組におけるコミュニケーションのあり方は、学校とか職場のお手本になってしまっている側面があります。なのに、テレビではいまだに「シャレの分かる人は格好いい、シャレの分からない人はダサイ」という空気がまかり通っています。シャレといっても、身体的特徴をネタにしたり、童貞をネタにしたり、非モテをネタにしたりっていうイジリが、面白いとされていますよね。

そういった「イジリ」に対して怒らずにうまく返すのがウケるというシーンが放送されていると、視聴者は“あれが上手なコミュニケーションなんだな。ああ言われたら、あんな風に返すのが正解なんだ。イジリはオイシイんだ”と学習してしまい、日常生活でもそれを応用してしまう。

バラエティ番組は「ショー」なのでその場で終わりますけど、職場とか学校でそれをやれば、やられる方にしてみれば「いじめ」になってしまいますよね。たとえ、話を振った側はバラエティ番組のマネをしたシャレのつもりでやっていたとしても。

バラエティ番組が人々のコミュニケーションのモデルになってしまっている構造には、見る人も、つくる方も、自覚的になったほうがいい。

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