テレビはどうすれば「テレビらしさ」の呪縛を解けるか/小島慶子インタビュー

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【完成】テレビはどうすれば「テレビらしさ」の呪縛を解けるか/小島慶子インタビューの画像3――とはいえ、いままで積み上げてきた番組づくりの慣例を打ち壊すのは容易ではない気もします。

 

小島 テレビはもうそろそろ「テレビらしさ」の呪縛から放たれてもいいと私は思っているんです。

テレビというのは「画」をつくらなければいけない。ラジオの後に出てきたメディアであるテレビの強みは「画」だった。だから、どうしても「画」に縛られる。すると、どうしても刺激的なものを求めてしまう。

テレビは見ている人をもっと信用してもいいと思いますね。「見ている人はきっと難しい話は嫌いに違いない」「見ている人はゲスで、ショッキングなゴシップが好きだろう」とか、そんな視聴者像はもうリアルな社会の姿とはズレてきているのかなと思います。

いまはテレビにとって「チャンス」の時代

――いまはテレビ業界が「過渡期」なのかなと感じました。

小島 そう。だから、見方によっては、チャレンジしがいのある環境だと思いますよ。

いままでつくれたものがつくれなくなるのは窮屈だという気持ちも分からないではないですが、逆に、マンネリ化していたものを新しいものにする結構なチャンスでもあるので。

あとは、昔ながらのやり方では新しい視聴者層は獲得できないということを意思決定層が分かっているかどうか。上層部は新しい試みにチャレンジするスタッフを応援してあげてほしいですよね。

――「チャンス」というのは、テレビ番組をつくるスタッフのみならず、出演するタレントにとっても同じかもしれません。

小島 これからの司会者に求められるのはイジリ型から「受容型」の司会だと思っています。相手の話を聞いて、「あー、なるほどね。そういう風に考えたんだ。何で?」といった感じで、一回相手の話を受容しつつ質問することによって、相手の面白さを引き出していく司会術。決して新しい手法ではなく、むしろ定番とされてきた手法なのですが。

私は『エレンの部屋(The Ellen DeGeneres Show)』というアメリカのトーク番組が好きなのですが、彼女はプロモーションで登場するセレブにも、例えば性的少数者であることをカミングアウトした経緯や、キャリアの挫折などについても率直に温かく訊ねて、トークショーとしての楽しさと、社会に対するメッセージとを上手にミックスして出しているんです。視聴者との掛け合いもあるんですがそれも温かみがあって、とても後味がいいんですよね。バカバカしいクイズもあるし、素朴なびっくりを仕掛けたりもするんですが、相手を貶めて笑うものが一切ないので、屈託なく楽しめます。

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