テレビはどうすれば「テレビらしさ」の呪縛を解けるか/小島慶子インタビュー

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相手のダメなところを笑いものにするというかたちではなくて、ゲストのもっているストーリーの面白さを引き出して、最後にはその人のことを祝福する。セレブも、普通の人も。あとスポンサーがいっぱいついているのかやたらとものをプレゼントする(笑)。そういう昼間の人気のトークショーなんですね。一方、夜のトークショーでは私の好きなスティーブン・コルベアやジミー・キンメルなどのコメディアンがかなり辛辣な風刺を連発していて、痛快です。

私は何でも「アメリカでは」という人は信用ならないと思っているのですが(笑)、こういう定番の番組は、やっぱり面白いです。日本のテレビは本当にクオリティが高くて作りも半端なく丁寧ですが、大御所の芸人さんが後輩や素人をイジったり、内輪ノリで無知や容姿をからかったりするのを笑うここ30年ほどのスタイルは、なんかもう見ていてハッピーにはならない……私があんまり偉そうに言うとお詳しい皆さまに叱られそうですが。

客観的に見ても、ハラスメントに対する意識も前より敏感になって来たし、いままでとは風当たりも違ってきている。だから、前と同じようにやっていると、すごい古い人に見えちゃうし、世間知らずに見えちゃう。いまはそういう状況なのかもしれませんね。

――ハラスメントを避けたポリティカル・コレクトネスな番組づくりを「つまらない」と敬遠する層もいますよね。

小島 これまでのお笑いというのは「お互いに生まれも育ちもある程度一緒で同質であること」が前提となっていて、そのうえで「内輪の論理」を読む力に長けていることが「洗練」されているとされてきた。

そういった背景のもとに「ダメ出し」を「笑い」としてきた価値観からすれば、多様性を尊重する「受容型」の司会はゆるいし、ダサいですよ。

でも、私は、誰かが嫌な思いをする笑いよりは、ゆるくてもいいからみんなが気持ちよく見られる笑いの方がいいと思う。テレビは「広場」なので。「内輪ノリ=洗練されている」とする笑いは、テレビではなく劇場などの、より先鋭化された場所でやる方向でいいんじゃないかと思います。

「いい番組」を増やすため、視聴者にできること

――『ワイドナショー』(フジテレビ系)における松本人志の発言が頻繁に炎上するようになったのも、そのように視聴者の意識が急速に変わってきたからですよね。では、いい番組を増やすために、私たち視聴者にできることはなにかありますか?

小島 番組を褒めることです! いい番組だと思うものがあったら、ただ見るだけで終わりじゃなくて、褒めてください。それも、ツイッターとかに書き込むだけではなく、テレビ局にメールするなり、電話するなりして、「良かった」と伝えるのがいい。

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