テレビはどうすれば「テレビらしさ」の呪縛を解けるか/小島慶子インタビュー

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――電凸の逆パターンですね。

小島 人ってけなす方には一生懸命になりますけど、意外と褒める方には労力を割かないんですよね。だから、褒めてあげてください。いい番組をメチャクチャ褒めて、それを言いふらすと、似たような番組が増えてくるはずです。

というのも、テレビをつくっている人たちは、自分たちの番組がどう見られているかにすごく敏感なので、そのなかに褒める意見があると、とても喜ぶ。それが次につながっていくんですよね。

Wezzyを読んでいる人は、テレビを見ていて「ああっ(怒)!」となることも多いと思うんですけど、むしろテレビの良いところを見つけて褒めるのが、そういった状況を変える近道かもしれませんね。

――小島さんもそういう草の根活動をしているんですか?

小島 私はこれを日々やってます(笑)。たとえばこの前、バラエティ番組の収録の時に、ある芸人さんが司会者に向かって「それセクハラですやん!」ってツッコミを入れたことがあったんです。そのとき、休憩時間に芸人さんのところまで行って「さっきのすごい格好よかったです!」って言ったら、「女性はそう思うもんなんやな!」って。そういう風にポジティブに後押ししてるんです。

ある十代の人気女性タレントさんは、収録で熟年司会者などに対して果敢に「セクハラですよ」って言う方なんですよね。編集でカットされてしまうのだけど。彼女と二度目に収録が一緒になった時にも、「この前のあれ、とっても心強かった。私一人じゃないんだって思えたし、すごくかっこよかったです」とお伝えしました。嬉しそうにしてくれて、私も嬉しかったな。

だから、「SPA!」(扶桑社)のこともめちゃ褒めてます(笑)。「SPA!」は1月に「ヤレる女子大学生ランキング」という記事をつくって炎上しましたけど、その後の対応が良かった。抗議の署名活動を行った大学生たち(VOICE UP JAPAN)と話し合いを行って、さらに、学生たちから教わった性的同意についての認識をもとに、3月には性的合意の特集を組んだんです。この動きは素晴らしかった。ツイートで、VOICE UP JAPANの学生たちだけでなく「SPA!」のことも絶賛したら、1000以上のリツイート、2000以上のいいねがつきました。やっぱり、希望の見える変化はみんな嬉しいんだと思います。

ハラスメントに対して声をあげ、対話をし、それがフィードバックされたら褒める。そうして好循環がつくられていくと思うんですよね。

皆さんも、いいと思う番組があったら、是非ぜひ褒めてあげてください。

――「いいと思ったものを褒める」。これは誰にでもマネできそうですね。私もやってみたいと思います!

(取材、構成:編集部)

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小島慶子『さよなら!ハラスメント自分ち社会を変える11の知恵』(晶文社)

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小島慶子
1972年、オーストラリア生まれ。小学生のころシンガポールと香港で暮らす。学習院大学法学部を卒業後、1995年にアナウンサーとしてTBSに入社。テレビ、ラジオに出演し、1999年ギャラクシー賞ラジオ部門DJパーソナリティ賞受賞。2010年に退社後は、タレント、エッセイストとして活動している。『気の持ちようの幸福論』『女たちの和平交渉』『失敗礼賛』『解縛』『大黒柱マザー』『不自由な男たち』(田中俊之氏との共著)など著作多数。『わたしの神様』『ホライズン』など小説も手掛ける。

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