有給休暇を取得すれば「破綻する」職場、責任は無能な経営者にあり

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「Getty Images」より

 4月に働き方改革関連法の運用が一部スタートしたが、皆さんの職場では変化が見られただろうか。

 そもそも政府が「働き方改革」を打ち出したのは、国連やILO(国際労働機関)、経済協力開発機構(OECD)などからの外圧がきっかけだった。とはいえ、日本は人口減少による深刻な人手不足に直面しており、どのみち企業もワークライフバランスをまじめに考えなければならないというタイミングでもあった。

 この「働き方改革」の一環として、労働基準法の改正により4月から「年次有給休暇の時季指定義務」が課せられることになった。

 これはわかりやすい。企業はその規模を問わず、社員に一定の有給休暇を取得させる「義務」があるというものだ。しかも今回は罰則もある。

 果たして日本人は有給休暇を取るようになるのだろうか。なにしろ、日本人は世界的にも有給休暇を取りたがらない奇妙な国民なのだ。

なぜ日本人は有給休暇を取りたがらないのか?

 世界最大級の総合旅行サイト・エクスペディアの日本語サイト、エクスペディア・ジャパンが2018年9月19日~28日に19カ国を対象に調査した結果を見ると、日本人は本当に強制でもしなければ有給休暇を取得しない国民であることが見えてくる。

 まず、日本人の有給休暇の取得率は50%で、19カ国中3年連続で最下位だった。ワースト2位のオーストラリアでさえ70%だから、断トツで低いのだ。

 ワースト順の上記5位を上げると、日本50%、オーストラリア70%、アメリカ71%、マレーシアとインドとニュージーランドが75%となっている。

 この取得率の低さの原因と思われるのが、他人の目だ。同調査では、有給休暇の取得に罪悪感があるかどうかの質問に対して、最も有給休暇を取得していない日本人が、最も高い割合でYESと示したのだ。

 罪悪感を持っている順に上位5位を挙げると、日本58%、韓国55%、シンガポール42%、アメリカ39%、香港38%となっている。

 この罪悪感が、労働を人生において価値あるものと考えた上での罪悪感であればまだ救われるのだが、どうやらそうでもなさそうだ。

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