政治

消費税10%なんてとんでもない MMT(現代貨幣理論)から消費税は不要な税金である

【この記事のキーワード】

3.目からウロコが落ちるMMT(現代貨幣理論)的な税金論

 さて、本稿のメインの話に移る。そもそも消費税、ひいては税金とは何のために徴収するのであろうか。恐らく、100人中100人の人が、「政府支出を行う財源を集めるため」と答えるであろう。消費税に関しても、その増税賛成者の多くが、「政府の増え続ける社会保障費を補うため止むなし」と答えるであろう。

 しかし、実はこうした疑いの余地の無い、さも常識的な考えが、完全に誤りであったことが判明した。1億2千万人のほぼ全ての日本人が税金について誤解していたのである。この誤りを指摘したのが、21世紀の“地動説”や、経済論壇では21世紀の“黒船”と呼ばれ、昨今の世論を賑わせているMMT(Modern Monetary Theory、現代貨幣理論)にあるのだ。

 MMTの基本的な考え方の中には、
「税金とは、財源を集める手段ではなく、インフレを抑制する手段」
 といった趣旨のものがある。

 これはどういうことかと言うと、人々は何かの支出につけて、「財源!財源!」と反射的叫ぶが、端的に言えば、財源なんてものは、「国家が新たにお金を発行すれば良いだけ」の話なのである。具体的に言えば、現在行われているスタンダードな国債発行と日本銀行による市中からの国債の買いオペレーションで、新たな財源を生み出せば良いだけである。日本銀行が国債を買えば、実質的に国債の返済は不要となる(政府が日本銀行に払った国債の利払い費や償還金は、国庫納付金として政府に戻ってくるため)。いわゆる、日本銀行を政府の子会社と見なす統合政府勘定(株式会社で言えば連結決算)においては、国債の債権者(日本銀行)と債務者(政府)が同一になるため、債権は消滅するのである(MMT的に言えば、政府支出についてはもう少し違う説明になるが、説明が長く、分かりにくくなるので、今回は割愛させて頂く)。

 だから、基本的に国家が財源不足になんて陥ることはないのである(但し、ユーロ圏のように、自国で通貨を発行出来ない国は除く)。

 それならば、いくらでも新たにお金を発行して財源にすれば良いかと言えば、そう美味い話はない。これは直感的に多くの人々がイメージする通り、お金を発行し、人々がお金を使い過ぎれば、インフレが加速してしまうからである。よって、政府はインフレが加速し過ぎないように、税金を取るわけであるが、これが高じて、いつしか、税金=財源調達だと人々は思い込むようになってしまったのである。それによって、「国家は新たにお金を発行できる」という当たり前のことですら、政治家、官僚、経済学者など国家のエリート層も含め、人々は忘れ去ってしまったのである。

 以上のように、税金とはインフレを抑制する手段だとお分かり頂けたかと思う。このようにして世界中の国々は適度に税金を取り、先進諸国は概ねインフレ率2%前後を維持しているわけであるが、世界に1カ国だけ税金を取り過ぎているため、過度にインフレを抑制して、20年間もデフレになって経済成長出来ないおバカな国が存在する。そのおバカ国こそ、我が国・日本である。

 結局のところ、20年間にも及ぶデフレの原因とは、税金の取り過ぎにあったのである。安倍政権は、今でこそどうなったかは分からないが、就任当初にはインフレ率2%目標を掲げていた。その目標達成に向けては、インフレ抑制のために徴収し過ぎた税金を国民の元へ返すべきなのだ。だからこその消費税不要論なのである。

 中には、消費税を廃止にしたら、インフレ率が加速して、ハイパーインフレになる!と言う人も居るかもしれない。では、実際に消費税を廃止したら、どの程度インフレ率が上昇するのか、参議院の調査情報担当室に計量シミュレーションを依頼したある国会議員がいる。その結果によると、消費税を廃止しても、3年目でインフレ率1.67%までしか上昇せず、その後はインフレ率が下がっていくことが判明したそうだ。消費税を廃止にすると言っても、名目GDP550兆円の規模から見れば、たかだか22兆円、GDPの4%程度の金額規模でしかないから、ハイパーインフレなど起こるはずがないのである。

 つまりは、安倍政権のインフレ目標は2%であるから、まずは消費税を廃止にして、その上で、更に他の税金まで減税が出来るようである。何度も繰り返すが、税金とはインフレを抑制するために存在するのである。

 となると、究極的には無税国家も可能ではないかとの意見も出るであろうが、私は無税国家も可能であると考える立場だ。詳しくは、こちらのブログに掲載しているので、拝読頂ければと思う。ただ、税金には所得再分配、格差是正の機能もあるので、その機能を考慮すると、一部の税金は残しておくべきかとも思う。

4.税金の「応益負担」論はマクロ経済的には有り得ない考え方

 税金の「応益負担」と「応能負担」についても、筆者の考え方を述べておく。応益負担とは、自分が受けた利益に応じて税負担をする考えである。主に一律課税の消費税が応益負担に該当する。応能負担とは、各自の支払い能力に応じて税負担をする考えである。主に累進課税の所得税が応能負担に該当する。

 応益負担か応能負担かに関しては、財政学者の中でも広く議論があり、平成日本の税金のあり方は、応能負担から応益負担への方向へと推移していたように見受けられる。これに対して、筆者のマクロ経済学的な見地を加味すると、マクロ経済学的には応益負担などはあり得ないと断言できる。

 何故かと言えば、応益負担とは、消費性向が高い、要はより多くの物を消費する貧しい人々からも税金を徴収するからだ。これによって、個人消費の停滞を招き、ひいては経済成長を阻害することになる。すると、税収まで落ち込んでしまう。実際に阻害している状況は、この記事の前半で述べた通りである。

 対して、応能負担であれば、貯蓄に回す余裕のある人に、より多くの負担をかけるので、応益負担と比較すると、個人消費への悪影響が少ないと言える。より経済成長率を高めたいのであれば、税制とは必ず応能負担にすべきなのである。高い経済成長率を実現出来れば、その分、税収も増えて来るわけで、更に税負担を軽減することだって可能になるのだ。

 以上のように、経済成長のことを考慮すると、税金とは必ず応能負担であるべきなのだ。こうしたマクロ経済的な見地が分からず、応益負担の方向にシフトした結果が、平成の経済停滞を招いたといっても過言ではない。だからこそ、応益負担の代表格である消費税は、さっさと廃止にすべき税制なのである。

なお、ほとんど全ての財政学者も「国家は新たにお金を発行できる」ことを知らないので、あくまでも今あるお金の中でのやり取りの議論に終始してしまっている。そうした財政学者に対しても、「税金とは、インフレ抑制のためにある」ことを伝えておきたいものだ。

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